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栃木の頂上決戦は後半終了間際のゴールで決着!矢板中央が10度目のインハイ出場!

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矢板中央高は粘り強く接戦を制して、堂々の栃木制覇!

[6.23 インターハイ栃木県予選決勝 矢板中央高 1-0 佐野日大高]

 矢板中央高佐野日大高。長く栃木県の高校サッカーを牽引する2チームによるライバル決戦は、いつもお互いの意地と意地が激しくぶつかり合う大接戦になる。

 今回もその激戦の系譜に刻まれる接戦だった。インターハイ予選栃木県予選決勝で顔を合わせた両チームは、立ち上がりから真っ向から激しくぶつかり合った。

 昨年度の選手権で2年連続ベスト4に輝き、その時のメンバーが多く残る矢板中央は、1年時からゴールマウスを守るGK藤井陽登(3年)、186cmの大型CB島崎勝也(3年)、広範囲をカバーするボランチのMF大畑凜生(3年)を中心にした堅守がベース。 

 5大会ぶり10回目の出場を狙う佐野日大は、安定感抜群のGK吉野翼(3年)、MF吉井大季(3年)とMF落合莉唯(3年)のダブルボランチを軸に、テンポの良い配球から最前線の180cmのストライカー、FW影山虎楽(3年)のポストプレーで、2列目のアタッカーが飛び出していくサッカーを展開。

 だが、互いのユニフォームを見た瞬間に両チームの選手の闘争心に火がついたのか、立ち上がりから激しい球際の連続だった。ボールが激しくコートを行き交う状態となり、お互いがやりづらさを感じながらハイテンポな試合展開となった。

 前半をスコアレスで終え、後半に入ると接触プレーで試合が中断するアクシデントがあったが、両チームとも集中力を切らさずに再開後も激しい攻防戦を続けた。後半20分、佐野日大はGK吉野のキックを影山がヘッドですらすと、抜け出したFW三浦直起(3年)がGK藤井と1対1になるが、タイミング良く飛び出してきた藤井に対し、狙ったループシュートはゴールバーの上を通過していった。

 次の決定機は矢板中央に訪れる。38分、島﨑の左からのロングスロー。一度は相手DFに跳ね返されるが、こぼれ球に反応したFW星景虎(3年)がシュートを放つ。これを途中出場のFW小森雄斗(3年)がコースを変えてゴールに突き刺し、矢板中央が均衡を崩す先制弾を挙げた。

 佐野日大も最後の力を振り絞って影山と三浦を中心に矢板中央ゴールに迫るが、堅守を崩し切ることができずにタイムアップ。矢板中央が3大会連続10回目のインターハイ出場を手にした。

「佐野日大との戦いは大差にならないことは最初から分かっていた。選手たちにも『1点勝負、延長戦、PK戦もありうるぞ』と伝えていた。予想通りの激しい試合となったが、選手たちは最後までよく集中力を切らさずに80分間で勝負を決めてくれたと思います。インターハイに向けて、選手権予選に向けて、チームとしてポジティブな経験が積めたと思います」。

 試合後、矢板中央の高橋健二監督が語ったように、最大のライバルとの決戦の難しさを感じたこと、その上で勝ち切ったことがチームにとって大きな経験となったことは間違いない。インターハイはそれを証明する舞台の1つであり、「選手権ではベスト4まで行っていますが、インターハイはベスト16が最高。今年はその壁を破りたい」と高橋監督が続けたように、歴史を塗り替えることで更なる経験と自信を手にするための重要な大会となる。

(取材・文 安藤隆人)
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