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「ポテンシャルだけじゃダメ」。大津の新たな大器、191cmの2年生FW小林俊瑛は結果で証明

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“公立の雄”大津高の新たな大器、U-17日本代表候補FW小林俊瑛

「ポテンシャルだけじゃダメだと思うので、証明していかないとダメだと思います」。公立校ながら50名を越えるJリーガーを輩出している大津高(熊本)には、今年も一際大きなスケール感を持つストライカーがいる。

 191cmのサイズを持つU-17日本代表候補FW小林俊瑛(2年)は、神奈川県の藤沢市立鵠沼中出身。18年度の全国高校選手権で地元・神奈川県代表の桐光学園高を大津が5-0で破ったことに衝撃を受けた。その中で、自分と同じ190cm級のFW大崎舜(現福岡大)が活躍していたこともあり、大津への進学を希望。高校1年時から話題になっていたFWは、2年目の夏を迎えて着実にできることを増やしている。

 名将・平岡和徳総監督には、「(競り合いの際に)先に身体を当てたり、ボールが来る前の動き出しについて結構言われています」という。加えて、ヘディングは意識的に強化して強みに。また、シュート練習を朝の個人練習で続けて質を高めてきた。
 
 特に日本代表FW大迫勇也(神戸)やFWレアンドロ・ダミアン(川崎F)を参考にしているポストプレーの成長は著しく、大津の連動した崩しの中心になっている。ボールを受ける前に周囲の状況を確認して判断。インターハイ熊本県予選決勝ではスルーパスで先制点をアシストしたほか、上手くフリックしてチャンスを生み出したり、前線で収めて起点となるなど存在感のある動きを見せていた。

 191cmの高さは他のFWにはない強み。一方で一際目立つからこそ悔しい思いもしてきた。「『大きいだけ』と言われるのが一番悔しかったり。でも、点決めないと言われても仕方ない。結果が一番大事です」。逸材FWはそのポテンシャルを高く評価されてきたが、ピッチで現在の実力を証明しなければならないと考えている。。

 チームでの存在感が増していることは確か。一方で今年は怪我もあり、納得の行く結果を残せているとは言い難い。後輩FW碇明日麻(1年)がプレミアリーグで2戦連発を記録する中で自身は無得点。また、同世代のライバル、神村学園高(鹿児島)FW福田師王(2年)は、チームでも、年代別日本代表でも結果を残して、1歳年上のU-18日本代表候補に選出されている。

「(福田は)結構意識しています。一個上の代表にも上がっているので、負けていられないのはありますね」。周囲の高い評価に感謝する一方、「自分としてはまだまだ」であることを自覚し、続けてきた努力。技術面、体力面ともに本人は満足していないが、和倉ユース大会(7月末)の3位決定戦で決勝ヘッドを決めたことはインターハイへ向けて一つ弾みになりそうだ。

「大津高校の全国制覇という目標がある。自分の長所である高さやポストプレーは見て欲しいですし、その中で得点力などは今後も改善して、インターハイまではしっかり身につけていきたい」。目標を達成するために必要なのは結果。前線で自分の役割を最大限に発揮する一方、小林は名門のエースストライカーとして結果にもこだわる。

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(取材・文 吉田太郎)
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