beacon

[MOM3549]実践学園MF渡辺創太(3年)_チームを落ち着かせたGKの逆をつく先制ヘディングゴール!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

実践学園高はMF渡辺創太が2ゴールの大活躍(写真協力=『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.14 インターハイ1回戦 実践学園高3-0高知中央高 三国運動公園人工芝グラウンド]

 今年度のインターハイが無観客での開催ということでより際立ったかもしれない。試合開始から実践学園高(東京1)はキャプテンのDF土方飛人(3年)を筆頭に大きな声を出してやるべきことを確認し、お互いに鼓舞し合っていた。

「少し緊張していて、グランドもスリッピーでいつもよりボールが収まらない。でも、みんなで声を掛け合って緊張をカバーしあってプレーできたのでよかったと思います」

 そう話すのはMF渡辺創太(3年三菱養和SC調布Jrユース出身)。降り続く雨により人工芝グラウンドはボールを扱いづらい状態になっていた。ロングスローをしようとして滑るシーンが続出したことが、どれだけスリッピーなコンディションだったかを物語っている。

 その中、高知中央高(高知)を相手に思うようなサッカーができないでいた。しかし、声だけは最初から出し続けていた。そのことが後半のリズムにつながり、結果に結びついた。流れを呼び込んだのが渡辺の先制点だ。

「後半になってから自分たちのペースになっていたので、ここで決めたら試合を持っていけるなと思っていました。ゴールを決められてよかったです」

 後半20分、フリーでのミドルシュートはGKの正面をついたが予感はあった。そして後半23分。左斜め後ろからのクロスに対し、ゴール前正面でジャンプしながら思い切り首を振り、GKの動きとは逆のサイドにボールを流し込んだ。

「FW牧山翔汰(2年)にパスがいって自分は中で速いクロスに対応できるように待ってたんですけど。いいクロスがあがってきて、GKが動いてのが見えたので、寄っている方向とは逆に合わせる感じで」得意のヘディングを決めてみせた。

 そして後半30分には追加点もゲット。

「あれはラッキーでした。DF秋元朝陽(3年)がシュート性のクロスを撃って、たまたま自分のところに転がってきたので合わせるだけでした。“持ってるな”と自分でも感じました」と笑顔だ。

 チームがスロースターターということは感じている。「よくない形」だとは認識しつつ「今日はいい方向に出た」。というより、渡辺がいい方向に導いたというべきか。感覚として「後半の飲水タイム後から上がってくる」という。一方で難しい初戦を勝利した。チームの性格を強みに変えるか、新たな強みを生み出すか。この後の試合にチームの可能性が眠っている。

(取材・文 伊藤亮)
●【特設】高校総体2021

TOP