beacon

流経大柏が攻守でプレミア勢の力見せつけ、佐賀東に5発快勝

このエントリーをはてなブックマークに追加

前半16分、流通経済大柏高FW清水蒼太朗が先制ゴール(写真協力=『高校サッカー年鑑』)

[8.15 インターハイ1回戦 流通経済大柏高 5-1 佐賀東高 三国運動公園陸上競技場]

 令和3年度全国高校総体(インターハイ)「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」サッカー競技(福井)は15日に1回戦2日目を開催。流通経済大柏高(千葉)と佐賀東高(佐賀)の一戦は、FW清水蒼太朗(3年)の先制点を皮切りに5ゴールを奪った流経大柏が5-1で勝利した。

 序盤から、流経大柏のペースで試合は進んだ。後方からパスを繋いで、右のMF小林恭太(3年)と左のMF西岡亮哉(3年)へと展開すると、相手エリアではFW川畑優翔(3年)、清水の2トップを交えた連携で相手ゴールへと迫った。

 ボールロスト後は、代名詞である前線からのアグレッシブな守備で佐賀東のビルドアップを高い位置で阻止。前線からのプレス回避を試合のポイントとして挙げていた佐賀東の蒲原晶昭監督が、「県リーグ(の佐賀東)とプレミアリーグ(の流経大柏と)の違いが出た。二枚で奪いに来る剥がし方はやれるけど、ビビってしまった」と振り返る通り、佐賀東はこれまで感じたことがない圧力に屈し、思い通りに自陣からボールを運べない。

 前半16分には流経大柏の狙い通り、U-18日本代表候補DF大川佳風(2年)が右サイド高い位置でボールをカット。素早くゴール前に入れたボールを走り込んだ「どんなボールが来ても飛び込もうと思っていた」清水がボレーで決めて先制に成功した。

 後半に入ってからの流経大柏は、県予選から続ける「11人だけじゃなく、登録全員で戦う」(榎本監督)スタンスで勝負。「この大会で清水と石川をこの大会で競らせたい。どっちも“俺がやってやる”という気持ちを出させて、成長させたい」(榎本監督)との意図で先制点を奪った清水に代えて、俊足のFW石川裕雅(3年)を前線に投入した。同時に前半からボールが良く入っていた左サイドに川畑を回した策が機能する。

 後半11分には、MF渋谷諒太主将(3年)の右CKを川畑が合わせて2点目をマークすると、直後の14分には、右サイドから仕掛けた石川の鋭いサイドチェンジがPA左の川畑へ。川畑は、落ち着いたボールコントロールから豪快に3点目を決めた。このゴールで勝負の行方を決定づけた流経大柏は、15分と16分に石川が連続ゴールを決めて、一気に5点差までリードを広げた。

 試合終盤は、佐賀東が意地を見せた。24分にはMF山内創太(3年)が左に大きく展開。MF中山琉稀(3年)がカットインからゴールを狙ったが、身体を寄せたDFがブロック。33分には右を駆け上がったMF上村新陽(3年)の低いクロスを山内がボレーで合わせたが、右外に逸れた。押し込みながらも1点が遠い展開が続いたが、32分、中央をドリブルで仕掛けた日本高校選抜MF吉田陣平(3年)のスルーパスから、MF森田悠斗(3年)がゴール。直後にタイムアップを迎え、5-1で流経大柏が勝利した。

 試合の締め方に課題が見られた流経大柏だが、榎本監督が「ずっと点が獲れないのが、うちの問題だった。そういう意味では獲るべき奴が点を獲ったし、セットプレーからも獲れた」と話した通り、そこまでの試合運びとゴールラッシュは評価に値する。単なる大勝で終わらず、最後の失点により修正すべき点が明確になったこともプラスと言えるかもしれない。指揮官が「目指している物がある。もう一回気持ちを引き締めて、また明日に挑みたい」と続けた通り、2回戦ではターゲットである日本一を掴むための山場である大津高(熊本)撃破を目指す。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2021

「ゲキサカ」ショート動画

TOP