[MOM3569]青森山田MF田澤夢積(3年)_2ゴール1アシストときっちり結果を。「夢を積む人」がメインキャストへ名乗りを上げる
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.19 インターハイ準々決勝 東山高 2-5 青森山田高 三国総合運動公園陸上競技場]
この日も2ゴール1アシストを記録。今や主役級のパフォーマンスを披露し続けているが、それでも常に隣り合わせの危機感を隠さない。「チームは層が凄く厚いので、常に結果を出し続けないとすぐに入れ替わってしまいますし、結果を残し続けてこそスタメンで出られると思うので、本当に結果ということにはこだわってやっています」。短いフレーズの間に何度も出てくる“結果”の二文字。青森山田高の左サイドハーフ。MF田澤夢積(3年=青森山田中出身)は“結果”を出し続けて、チームに勝利を呼び込み続ける。
「1回戦は凄く緊張していて、思うようにプレーできていなかったんですけど、やっと緊張が解けてきて、自分のプレーが出せるようになってきました」。確かに1回戦と2回戦は、周囲のアタッカーが次々とゴールやアシストという“結果”を出していく中で、田澤はどちらも記録することができていなかった。
だが、3回戦の丸岡高(福井)戦では数字こそ1ゴール1アシストだったが、実質は5得点に絡むハイパフォーマンスを披露。勢いに乗ったまま、全国4強を懸けた東山高(京都)との準々決勝へ挑む。
前半19分はゴール。FW渡邊星来(3年)が右サイドへ繋ぎ、MF藤森颯太(3年)はグラウンダーの速いクロスを流し込むと、ファーサイドから田澤が飛び込んでくる。「チームの決まり事として、逆サイドからのクロスに“蓋”をするというのがあるので、やるべきことをしっかりやった結果が、ゴールに繋がったと思います」。ゴールパターンとして確立されつつある『“蓋”をする』一撃で、田澤は2戦連発弾を叩き込む。
後半3分はアシスト。「監督からもフォワードが収めてから、良い攻撃が始まるというのは言われていて、そこでセラ(渡邊星来)とナス(名須川真光)がちゃんと収めてくれて、繋いでくれたので自分としてもプレーしやすかったです」と語る田澤は、“ナス”ことFW名須川真光(3年)がポストプレーから捌いたパスを受けて、すぐさま丁寧に中央へ。走り込んだMF宇野禅斗(3年)がきっちりゴールを陥れ、ここでも“結果”を出してみせる。
後半15分は再びゴール。藤森が打ち込んだくさびを、渡邊は巧みなフリックで裏へ。ここに全速力で走ってきた右SB大戸太陽(3年)は、シュートではなくラストパスを選択。スライディングしながら左足で田澤が蹴ったボールは、ゴールネットへ吸い込まれる。最終的に5得点を奪ったチームの中で、2ゴール1アシストの大活躍。まさに“結果”で、準決勝進出を手繰り寄せる一翼を、確かに担った。
もともとはシャドーのポジションを務めることが多かった田澤は、4月の高円宮杯プレミアリーグEASTの開幕戦となった浦和レッズユース戦で、左サイドハーフとしてスタメン起用されると、プレミアデビュー戦でいきなりゴールを記録。以降はそのポジションを任されることが多くなった経緯がある。
「あまりサイドを経験していなくてわからなかったんですけど、やっていくうちに慣れてきて、やるべきことをしっかり理解できるようになりました。自分は決定力があまりなかったんですけど、開幕戦のあの1点で凄く自信が付きましたし、アレがあったからこそ自分も波に乗れたような気がします。あの時に比べれば凄く自信が付いてきました」。今や不動の左サイドハーフとして、三冠を狙うチームのメインキャストへとなり始めている感もある。
準決勝の相手は静岡学園高(静岡)。当然難敵ではあることは理解しているものの、意識はむしろ内側に向いている。「三冠を目指してやっている以上は絶対に負けられないです。でも、目の前の1試合1試合に集中して戦っていくことが優勝に繋がっていくと思うので、相手どうこうじゃなくて、しっかり山田のサッカーをやって、優勝できたらいいなと思います」。
登録メンバー17人で最も小柄ながら、その身体に人一倍の闘志を詰め込んでいるタフガイ。「夢を少しずつ積み上げていって、最終的には大きな夢を掴んでほしいという想いで」名付けられた『夢を積む人』。今シーズン1つ目の夢を掴むため、田澤は準決勝も全力でピッチを駆け回る。
(取材・文 土屋雅史)
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●【特設】高校総体2021
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この日も2ゴール1アシストを記録。今や主役級のパフォーマンスを披露し続けているが、それでも常に隣り合わせの危機感を隠さない。「チームは層が凄く厚いので、常に結果を出し続けないとすぐに入れ替わってしまいますし、結果を残し続けてこそスタメンで出られると思うので、本当に結果ということにはこだわってやっています」。短いフレーズの間に何度も出てくる“結果”の二文字。青森山田高の左サイドハーフ。MF田澤夢積(3年=青森山田中出身)は“結果”を出し続けて、チームに勝利を呼び込み続ける。
「1回戦は凄く緊張していて、思うようにプレーできていなかったんですけど、やっと緊張が解けてきて、自分のプレーが出せるようになってきました」。確かに1回戦と2回戦は、周囲のアタッカーが次々とゴールやアシストという“結果”を出していく中で、田澤はどちらも記録することができていなかった。
だが、3回戦の丸岡高(福井)戦では数字こそ1ゴール1アシストだったが、実質は5得点に絡むハイパフォーマンスを披露。勢いに乗ったまま、全国4強を懸けた東山高(京都)との準々決勝へ挑む。
前半19分はゴール。FW渡邊星来(3年)が右サイドへ繋ぎ、MF藤森颯太(3年)はグラウンダーの速いクロスを流し込むと、ファーサイドから田澤が飛び込んでくる。「チームの決まり事として、逆サイドからのクロスに“蓋”をするというのがあるので、やるべきことをしっかりやった結果が、ゴールに繋がったと思います」。ゴールパターンとして確立されつつある『“蓋”をする』一撃で、田澤は2戦連発弾を叩き込む。
後半3分はアシスト。「監督からもフォワードが収めてから、良い攻撃が始まるというのは言われていて、そこでセラ(渡邊星来)とナス(名須川真光)がちゃんと収めてくれて、繋いでくれたので自分としてもプレーしやすかったです」と語る田澤は、“ナス”ことFW名須川真光(3年)がポストプレーから捌いたパスを受けて、すぐさま丁寧に中央へ。走り込んだMF宇野禅斗(3年)がきっちりゴールを陥れ、ここでも“結果”を出してみせる。
後半15分は再びゴール。藤森が打ち込んだくさびを、渡邊は巧みなフリックで裏へ。ここに全速力で走ってきた右SB大戸太陽(3年)は、シュートではなくラストパスを選択。スライディングしながら左足で田澤が蹴ったボールは、ゴールネットへ吸い込まれる。最終的に5得点を奪ったチームの中で、2ゴール1アシストの大活躍。まさに“結果”で、準決勝進出を手繰り寄せる一翼を、確かに担った。
もともとはシャドーのポジションを務めることが多かった田澤は、4月の高円宮杯プレミアリーグEASTの開幕戦となった浦和レッズユース戦で、左サイドハーフとしてスタメン起用されると、プレミアデビュー戦でいきなりゴールを記録。以降はそのポジションを任されることが多くなった経緯がある。
「あまりサイドを経験していなくてわからなかったんですけど、やっていくうちに慣れてきて、やるべきことをしっかり理解できるようになりました。自分は決定力があまりなかったんですけど、開幕戦のあの1点で凄く自信が付きましたし、アレがあったからこそ自分も波に乗れたような気がします。あの時に比べれば凄く自信が付いてきました」。今や不動の左サイドハーフとして、三冠を狙うチームのメインキャストへとなり始めている感もある。
準決勝の相手は静岡学園高(静岡)。当然難敵ではあることは理解しているものの、意識はむしろ内側に向いている。「三冠を目指してやっている以上は絶対に負けられないです。でも、目の前の1試合1試合に集中して戦っていくことが優勝に繋がっていくと思うので、相手どうこうじゃなくて、しっかり山田のサッカーをやって、優勝できたらいいなと思います」。
登録メンバー17人で最も小柄ながら、その身体に人一倍の闘志を詰め込んでいるタフガイ。「夢を少しずつ積み上げていって、最終的には大きな夢を掴んでほしいという想いで」名付けられた『夢を積む人』。今シーズン1つ目の夢を掴むため、田澤は準決勝も全力でピッチを駆け回る。
(取材・文 土屋雅史)
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