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[MOM3851]神村学園MF積歩門(3年)_「とにかく走る」。昨年とはタイプ異なる神村の“翼”

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後半20分、ゴールを決めた神村学園高MF積歩門が祝福を受ける

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.27 インターハイ鹿児島県予選準決勝 神村学園高 4-0 樟南高 OSAKO YUYA stadium]

「このインターハイ始まるまでずっと調子悪くて、試合にも絡めていませんでした。出れる試合で結果を残して、誰よりも走れてというところをやっていたので、それが結果に結びついて良かったです」

 神村学園高はこの日、左右の両ワイドでプレーしたMF積歩門(3年=SIEG熊本出身)が2試合連続ゴールを含む1得点1アシストの活躍。有村圭一郎監督も「ちょっと良くなってきた」と評価していた。

 積は前半、左クロスに決定的な形で合わせたほか、クロスなどからチャンスを作り出そうとしていた。そして、2-0の後半14分にはピンポイントの右クロスでMF西丸道人(2年)のゴールを演出。右タッチライン際で一人ガッツポーズし、アシストを喜んだ。

「自分、点を決めるよりもアシストしたいと思っているので、そこはとても嬉しかったです。(クロスは)GKとDFの間に速いボールを入れるというのを意識しているので。相手をかわして入れるよりも、外して入れる方が反応しづらいと思っている」と積。この6分後にはFW名和田我空(1年)の左クロスを頭でゴールへ流し込んだ。

 前半、神村学園は全体的に動きの量が不足。そのことを指摘されて迎えた後半、積は相手のマークを外す動きでゴールをもたらした。「前半、『もっと中に入って来い』と言われていたので中に入った結果、良いボールが来たので、あとはしっかり合わせるだけでした」。インターハイ予選前に出番を失っていた際、意識してきたのは「とにかく走るということ」だ。

「運動量を増やせばボールも来る。ですから、どんなところにもいる。ピンチの時も、ゴールの時も。そんな選手になりたい。ポジションはサイドハーフなので決着をつけるというところではもっと行かないといけないですし、ビルドアップのところではもっとボールに係わってやっていけたらなと思っています」。どんな時もボールに係わり、昨年度のウイング陣とはまた異なる活躍を果たす。

 1学年上の先輩SHの篠原駿太と若水風飛(ともに現関西学院大)はスピード武器のドリブラーだった。彼らに比べるとスピードで劣るが、相手のマークを外して縦へ抜け出す力や、クロスを上げ切る力を備えている。

 神村学園のエースはU-19日本代表候補のFW福田師王(3年)。この日は欠場したが、クロスさえ上げてしまえば、それを高校ナンバー1ストライカーが決め切ってくれる。積は「(福田は)アバウトなボール入れても収めてくれたり、ゴールに行ってくれるのでそこは気楽に」。福田が復帰予定の決勝ではホットラインでアシストする可能性も十分。オフ・ザ・ボールから精力的に動いてボールに絡み、優勝へのゴールに繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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