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神村学園の1年生FW名和田我空は先制点も猛省。10番、代表選手の責任感を持ってプレーし、結果を

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前半24分、神村学園高は1年生の10番FW名和田我空が先制ゴール。だが、この日はシュート8本で1点と悔しい結果に

[5.27 インターハイ鹿児島県予選準決勝 神村学園高 4-0 樟南高 OSAKO YUYA stadium]

 鹿児島予選決勝進出を懸けた一戦で先制点。だが試合後、神村学園高FW名和田我空(1年=神村学園中出身)の口から出てきたのは反省の弁ばかりだった。

「昨日から本当にまだまだだなと思っています。今日も、昨日もまだ点を獲れましたし、チャンスも作れましたし、ボールももっと受けれましたし、2試合良いところが逆にないくらい」と首を振る。

 0-0の前半24分、MF笠置潤(3年)の鋭いパスが足下に入り、「ファーストタッチが良いところにできたので決めれて良かったです」と右足で先制点。1年生で早くも10番を背負う逸材がスコアを動かした。

 だが、前半は4本のシュートでこの1点のみ。後半は立ち上がりの決定機で右足シュートをクロスバーに当てると、その後も1対1をGKに止められるなどシュート4本も2点目を上げられなかった。技ありのクロスで1アシストを記録したものの、タッチミスをしてしまうなど、自身も、有村圭一郎監督も厳しい評価。「(ポジショニングで)相手に被ってボールを受けれなかったり、決定機を外し過ぎていました」と猛省していた。

 目に見える結果が不足したことももちろんだが、本人は「責任感が全然足りない」ことを問題視する。コーチ陣からの厳しい言葉も期待の表れ。10番、年代別日本代表という自分の立場に責任を持ち、結果にこだわらなければならない。

「強く言ってくれることは、ポジティブに捉えれば期待されているのかなというところなので、期待に応えられるような選手になりたいですし、明日は活躍して見せます」と宣言した。

 今月、U-16日本代表のルーマニア遠征に参加。2試合連続ゴールを記録したが、「自分的にはフィジカル面は元々課題だったんですけれども、スプリント回数や走力が全然足りないなと感じました。納得していないです」と振り返る。

 野心はある。普段コンビを組む先輩FW福田師王(3年)は1歳年上のU-19日本代表候補にも加わっている選手だ。「自分の世代のエースになりたいですし、上のカテゴリーの代表とかも実際入っている選手も身近にいるので狙っていきたい、全然まだまだかなと思います」。福田とMF大迫塁主将(3年)はともに1歳年上の日本高校選抜メンバー。彼らと自分との差を実感し、手本にしている部分があるという。

「(2人は)ボールを受けるところだけじゃなくてオフの部分も人一倍していますし、信頼されている選手にはボールが集まってくるのでお手本にしています」と名和田。彼らが警戒される中、2人にはない武器も持つ1年生FWは自分の強みを出してチームを勝たせ、上のステージへ駆け上がる意気込みだ。

「師王さんみたいな空中戦の強さはないので、ゴールに向かうドリブルだったり有村先生にも言われるので、出して、塁さんや師王さんよりも怖い選手になりたいですし、ミドルレンジのシュートエリアだったらどこからでも点が獲れるような選手になりたいです」。左右両足からのシュートは、この日視察に訪れたU-16日本代表・森山佳郎監督も期待している部分の一つ。その武器やドリブルをコンスタントに発揮し、オフ・ザ・ボールを向上させて10番、代表選手に相応しい活躍をする。

(取材・文 吉田太郎)
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