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[MOM3852]鹿児島城西FW前田隼希(3年)_2発!決定力見せつけた「9」が“福田超え”に挑戦

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後半18分、鹿児島城西高FW前田隼希がDFを振り切って先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.27 インターハイ鹿児島県予選準決勝 鹿児島実高 0-2 鹿児島城西高 OSAKO YUYA stadium]

 エースストライカーが目標の1試合2発でチームを決勝へ導いた。鹿児島城西高は0-0の後半13分に2枚替えを実行。2シャドーの一角として先発していたFW前田隼希(3年=鹿児島育英館中出身)は、前線へポジションを移した。

「絶対に決める」という気持ちをより強めた前田は、その5分後に点取り屋としての才能を見せつけた。後半18分、前田は右中間でMF原田天(3年)からの縦パスを受けると、「相手が足を出してきたのが見えたので股を抜いて行こう」と飛び込んできたDFの股間を通すドリブルで突破。さらに斜めへのドリブルでDF2人の間へ割って入り、そのまま左足シュートをごーーるへ流し込んだ。

「ボールをもらってからイメージしていた通りに相手もかわせたり、シュートもGKの位置を見て落ち着いて流し込めたので良かったです。シュートを打つためには相手の位置をずらしてからじゃないと打つのも厳しいので、そういうこともちゃんとイメージしてできて良かったです」と微笑んだ。

 拮抗した展開を傾けるストライカーの一撃。鹿児島城西の新しい縦縞のユニフォームが歓喜に舞った。その後も切り返し一発でDFを剥がしてシュートを打ち込むなど怖さを示していた前田は、試合終了間際のゴールで勝利を決定づける。

 35分、中央でボールを持った前田が右サイドのFW東條弘聖(3年)へ預けてゴール前へ走り込む。ラストパスは一度DFに阻まれたが、こぼれ球を拾った東條が顔を上げた瞬間、背番号9はDFとの駆け引きを制していた。

「弘聖に要求して相手をチェックの動きでずらして、完璧にコースも空いていたのでそこに流し込むだけで決めれて良かったです」。右足1タッチでゴールを射抜き、この試合2点目。「今大会はずっと2ゴールを目標にしていて、今日は絶対に決めると思って結果もついてきて良かったです」と喜んだ。

 前田は1年時からAチームの公式戦を経験。ピッチで存在感ある動きを見せてきた。より進化するために取り組んできたことがある。「要求の声だったり、この一年自分としてはフィジカルを強くしようとしていて頑張っています。相手とのぶつかり合いではほとんど負けなくなって、前に出るスピードも少しずつついてきているので伸びていると思います」。前半は思うようなプレーができていなかったが、後半は効果的な抜け出しを続け、先制点のシーンは2つの加速でDF3人を振り切ってゴール。今大会の得点数を5得点に伸ばし、宿敵・神村学園高との決勝へ駒を進めた。

 神村学園のエースストライカー、FW福田師王(3年)は県内で競い合ってきた存在だ。今や世代を代表するFWへ成長したライバルとの差を実感している。「(福田は)代表とか色々行ってちょっと遠い存在になっているので、今大会で少しでも近づけるようにしたい」。28日の決勝では、結果で“福田超え”に挑戦する。

「師王よりも点を決めないとチームも勝てないので、明日は師王よりも点を獲って勝ちたい。このために毎日練習もしているので、明日も絶対に神村に勝って全国にみんなで行きたいと思っています」。ライバルの背中を追って、自身も大きく成長した鹿児島城西の「9」。偉大な先輩FW大迫勇也の後継者は福田よりも多く得点して神村学園の5連覇を止め、全国の高校サッカーファンを驚かす。


(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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