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[MOM3858]四日市中央工FW平尾勇人(3年)_攻守に持ち味発揮!! 充実の時を過ごす“背番号17”

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エースとしての存在感を見せた四日市中央工高FW平尾勇人(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.29 インターハイ三重県予選決勝 四日市中央工高 5-1 宇治山田商高 三重交通Gスポーツの杜鈴鹿]

 0-0のまま延長戦を迎えた前日の準決勝では、チームを勝利に導くゴールをマーク。全国行きがかかった宇治山田商との決勝戦では、良い時間帯にチームに勢いを与える2点目を叩き込んだ。持ち前のスピードを武器に入学直後から、期待されてきた四日市中央工高FW平尾勇人(3年)が高校生活最後の年を迎えて、覚醒しつつある。「平尾はゴールに向かう姿勢が魅力。俺が決めるという本来、四中工の17番が持つメンタリティーでプレーしている。最後に外して打ち切る所がストライカーっぽくなってきた」。そう口にするのは、伊室陽介監督だ。

 武器は、スピードを活かしたDF裏への抜け出し。この日は、相手DFの警戒も強かったが、ゴールネットを揺らした前半34分の場面のように厳しい状況の中でも持ち味を発揮し続けた。相手が裏への対策を強めれば、今度は違う武器も活きてくる。後半4分に奪ったMF川北琉雅(3年)のゴールも、相手CKのクリアボールを平尾が足元でおさめて左に展開した事で生まれた形。出した後にゴール前へと走り込んでいく姿勢も含めて、見事なプレーだった。

 もう一つ、印象的だったのは守備意識とフィジカルの向上だ。昨年から、「とにかく食べてベンチプレスや懸垂をしてきたし、朝は坂道も走った」(平尾)事で、体重が10kgもアップ。今年に入ってから、チーム全体で攻守の切り替えと前からのプレスを意識し始めてきたが、この日は力強さを活かしたボールハントで相手を苦しめる場面が目についた。チームメイトも平尾の守備による効果を実感しており、DF野崎峻太郎(3年)はこう口にする。「上手い選手でも走れなかったら、意味がない。勇人の守備から周りが連動して奪うのが、四中工のゲーゲンプレスの武器だと思っている。勇人の守備が、GOの合図になっている」。

 昨年からチームのエースナンバーである17番を授かったが、チャンスを活かしきれず、自らがチームを勝たせられなかったとの悔しさはある。だが、そうした経験を経て、今はコンスタントにゴールを奪えるようになってきた。「最近は良くなってきたと自分でも思う。周りを上手く使えるようになってきたし、周りのみんなもしっかり自分がボールを持った時に反応してくれている」。

 小学生時代は全日本少年サッカー大会に出場。中学時代もC大阪U-15の一員としてクラブユース選手権で活躍し、メニコンカップにも出場した。だが、高校に入ってからの全国大会は今回のインターハイが初めてとあり、意気込みは強い。「とりあえず初戦に勝って、勢いに乗って勝ち進みたい。その前に東海総体もあるので、そこで僕たちのサッカーを見せ付けたい。今年の四中工は強いんだぞと見せ付け、そのままの勢いで挑みたい。自分が点を取ってチームを勝たせて、一つでも上に行きたい」。全国でも活躍が続けば、目標とする高卒でのプロ入りも近づく。今の充実した平尾なら、大暴れも十分可能だろう。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2022

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