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“絶対王者”への挑戦権を手にしたのは米子松蔭!! 鳥取商に6発大勝、準決勝で米子北と対戦「本気で勝ちにいく」

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米子松蔭高がベスト4進出

[5.30 インターハイ鳥取県予選準々決勝 米子松蔭高 6-0 鳥取商高 鳥取県フットボールセンター大山]

 令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体 2022」サッカー競技(徳島)鳥取県予選準々決勝が30日に行われ、米子松蔭高が鳥取商高を6-0で下し、6月4日の準決勝進出を決めた。

 第1試合で境高を下して準決勝に進出した米子北高への挑戦権を懸けた一戦は、開始から1分もたたないうちにスコアが動く。キックオフ直後の25秒、米子松蔭がゴール前にロングボールを送ると、鳥取商の守備陣が処理し切れず、こぼれ球に詰めていたFW山本隼(3年)が左足ボレーで蹴り込んだ(公式記録の得点時間は前半1分、35分ハーフ)。

 米子松蔭の井上桂監督が「先制点が取れたのが大きかった」と振り返ったのは、1年前の苦い思い出があったからだ。昨年度の県予選準々決勝で、同じく米子北への挑戦権を懸けて倉吉総合産高と対戦。前半から何度もチャンスを作り、相手のシュートを0本に抑えるほど圧倒しながら最後まで1点が奪えず、0-0からのPK戦で敗れている。
 
 今年は開始直後に均衡を破ると、重圧から解放された選手たちはゴールラッシュを見せた。前半4分に右CKをDF鷲見悠翔(3年)が豪快なヘッドでたたき込むと、同9分にはFW黒田宏希(3年)が続き、早くも3点差とする。
 
 鳥取商は0-3とされた直後、ボールをキャッチした後に長く手で保持していた米子松蔭GK小徳凌太朗(2年)が遅延行為の反則を取られ、エリア内で間接FKを獲得する。これを短くつないだ後にMF山内悠斗(1年)が右足で狙ったが、人壁に阻まれて決まらず。鳥取商は終わってみれば、これが前後半を通じて唯一のシュートだった。
 
 ピンチをしのいだ米子松蔭は、前半10分に山本がこの日2点目を決めると、同23分にはMF姉崎優羽(2年)が加点。後半はゴールに近づいてからのプレーが雑になり、無得点の時間が長く続いたものの、後半31分にDF永井楓誇(2年)が決め、6-0で勝利を収めた。

 米子松蔭は今年度、初めて昇格した県リーグ1部で開幕から4勝1分1敗と好調。井上監督が「2部以下では経験できない緊張感の中でのプレーを、1部でできるようになっているのが大きい」と語る上位カテゴリーでの蓄積を生かし、1年前に阻まれた壁を破って準決勝進出を決めた。

 6月4日の準決勝は、2018年度に井上監督が赴任してからは4回目となる米子北への挑戦。19年度の選手権予選2回戦は0-7で敗れ、20年度の選手権予選では先制された後、一時は同点としたものの、1-6で敗れた。同年度の新人戦は0-9で敗れており、今回は2年ぶりの対戦となる。

 昨年度まで全国高校総体は13大会連続16回、選手権も12年連続17回の出場を誇る米子北は、誰もが認める鳥取の絶対王者。それでも井上監督は以前から「みんな米子北が勝つと思っているだろうけど、本気で勝ちにいく。ここにいる選手・スタッフが1人でも『無理だよ』と思っていたら、絶対に勝てない」と選手たちに呼びかけ、強化を進めてきた。
 
 もちろん、選手たちも本気だ。キャプテンのDF周藤啓生(3年)は「勝つために準備してきたので、勝てると思います…勝ちます! 自信があります」ときっぱり。チーム一丸となって『四度目の正直』の勝利をつかみ、全国の舞台に近づく。

(取材・文 石倉利英)
●【特設】高校総体2022

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