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[MOM3861]藤枝明誠MF林賢人(2年)_献身的に走り続け、「たまたま」のファインゴール

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後半27分、藤枝明誠高はMF林賢人が右足シュートを決めて2-0

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.29 インターハイ静岡県予選準決勝 藤枝東高 2-2(PK2-4)藤枝明誠高 愛鷹広域公園多目的競技場]

 藤枝明誠高の松本安司監督は試合後、「この2日間、2年生が良く頑張って走っている」と3年生のためにハードワークする2年生たちを讃えていた。中でも左SH林賢人(2年=バディジュニアユース出身)は、チームを歓喜させるファインゴール。加えて、「守備の時も前でなるべく取ることを意識していた」(林)と運動量、守備の部分でも貢献度の大きかったMFを指揮官はマン・オブ・ザ・マッチに推した。

 林は50m走6秒ジャストの俊足アタッカー。前半に右クロスを右足ダイレクトボレーで狙うなどゴールを目指すと先制した直後の後半27分、CKの流れから追加点を挙げる。右サイドのMF丸木音和(3年)からPAでパスを受けると、右足一閃。元浦和FWの松本監督も称賛する一撃をニア上へ叩き込んだ。

「ゴール見た時にファーに打とうと思ったんですけれども、当たりどころがそんなに良くなくて。たまたまニアに飛んで入った感じです」と苦笑する。狙いとは違ったものの、チームにとって大きな、大きな1点。「試合前から点決めたらスタンド行こうかベンチに行こうか迷った」という背番号9は、歓喜する松本監督やベンチメンバーの姿を見てベンチ方向へ向かい、その輪の中へ飛び込んだ。

 結果を残した2年生MFは、ボールを支配されながらも無失点を続けていたDF陣の頑張りに感謝する。「DFラインが頑張って守備してくれたので自分の得点にも繋がったと思います。たまたまボールが来て1チャンス決めれたと思います」。全国大会に出場したいという思いと「(練習参加した際に松本)監督の指導の仕方が良かった」という理由で進学した藤枝明誠で、全国大会出場へあと1勝とした。

 憧れはバルセロナFWウスマン・デンベレ。前線の複数ポジションでプレー可能な林は、様々な選手のプレー動画を見て自分のプレーの幅を広げようとしているという。主将のCB山本蒼太(3年)は「とにかく前から追ってくれたり、献身的に守備してくれたりして、あとシュート、得点能力はあります」と信頼。林も「優しいし、辛抱強い」という先輩たちとともに全国舞台へ立つ意気込みだ。

 決勝へ向けて、林は「自分にとって初めてのエコパなので、自分がゴールを決めて全国に行きたい」。エコパスタジアムのゴールネットも揺らし、先輩やチームメート、スタッフたちとインターハイ初出場を喜ぶ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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