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佐賀東苦しめるも惜敗…佐賀学園は「下を向いている場合ではない」「選手権では周りが怖れるチームに」

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佐賀学園高は選手権で雪辱を果たす

[6.2 インターハイ佐賀県予選決勝 佐賀学園高 0-1 佐賀東高]

 15年以来13回目のインターハイ出場を目指した佐賀学園高は、佐賀東高の2倍となるシュート14本。チャンスを幾度も作り出したが、相手GKの好守やポストに阻まれてしまう。そして、後半35+2分、相手の後半ファーストシュートで失点。試合終了の笛が鳴ると、選手たちはピッチに座り込み、また仰向けになるなど敗戦を受け入れられていないように映った。

 大家裕司監督が「シュートも打てますし、パスも出せる」と評するMF山口凌弥(3年)が攻撃のキーマン。最前線から組み立てにも係わり、前を向くとDFをズラしてスルーパスを通した。前半にもキックフェイントでDFを攻略してからコースへ強烈なシュート。佐賀学園は、山口と10番MF溝上要(3年)をはじめ、相手を見て判断を変えることのできる選手が多く、個でDFを剥がすシーン、相手DFラインのギャップを的確に突くシーンも多かった。

 またDF陣も、指揮官が「こういう(スタジアムで)声が通らないところで白石が全部伝えてくれたり、彼がずっと最後まで鼓舞してくれた」と信頼を寄せるDF白石琉稀主将(3年)を中心に安定した守り。今大会無失点で勝ち上がってきたチームは決勝も無失点を続けたが、後半アディショナルタイムの初失点が全国舞台を遠ざけた。

 今年は新人戦で優勝。だが、大家監督は「去年は3年生が少なくて、去年から出ている子が多くて、他のチームよりもスタートが早かったと思います。ですから、新人戦はフライングで勝ったようなもの」と謙遜する。

 その経験値も強みに、佐賀東高を上回るような内容の試合をしてのけたが、大家監督は「小さいミスとかたくさんあったので」と指摘。そして、「幸いにも九州大会にも出れますし、下を向いている場合ではないので。夏場でフィジカルとか、スキルとか、チームワーク、戦術を1ランク上げて、選手権では周りが怖れるチームになれるように頑張っていきたいです」と語った。悔しい敗戦を受け止め、次の目標へスタート。細かなミスや、ゴール前の攻防などの課題を改善し、01年度以来となる選手権出場を果たす。 
 
(取材・文 吉田太郎)
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