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[MOM3868]近江DF金山耀太(2年)_公式戦ノーゴールの男が…努力が結実!! 勝利をもたらす価値ある2ゴール

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2得点を記録した近江高DF金山耀太(2年=2番)

[6.2 インターハイ滋賀県予選準決勝 近江高 2-1 綾羽高 会場未公表]

 懸命な守備対応が売りだが、運動量が豊富でチャンスと見れば、高い位置まで飛び出し、クロスを上げたり、シュートを放つ。3-6-1のシステムを敷く近江高の生命線といえるサイドの役割を担うのが、左ウイングバックに入るDF金山耀太(2年)だ。「攻撃が好きで、チャンスがあれば自分で行きたいと思っていた」と口にするが、高校に入ってから公式戦ではノーゴール。記念すべき初ゴールと、2ゴール目がチームの勝利を呼び込んだ。

「この舞台に緊張している人もいたと思うし、みんながいつも通りではない堅さが感じられた」。そう振り返る前半は、金山自身も持ち味を存分に発揮出来ていたとは言い難い。だが、ハーフタイムに自分たちのサッカーを見つめ直した結果、近江らしいパスワークを取り戻し、コンビネーションによる崩しが見られるようになった。

 攻撃に勢いが出始めた事で、左サイドの金山も躍動し始めた。1つ目の見せ場は、後半7分。MF鵜戸瑛士(2年)が右サイドでボールを持った瞬間に反対サイドで金山が反応。「右サイドにボールが入った時に、『ここだ!ここなら行ける!』と思った。右サイドの鵜戸(瑛士)ならクロスを上げてくれると信じて走り込みました」。左サイドから思い切りよくクロスに対して、ニアに飛び込んで同点ゴールをマークした。

 2度目のチャンスは、後半21分。自陣からのパスを受けたMF高木遥斗(3年)が、金山の前方にボールを蹴り込んだ。いち早く、反応したのは「フリーになった時に、点を獲らなアカンと思った。背後に抜けるのが一番点に近づけると思い、信じて走ったら、ボールが来た」と振り返る金山。ファーストタッチは少し大きくなったが、前方に出たGK田中智也(2年)の隙を突き、これが決勝点となった。

 この日は鋭い得点感覚を発揮したが、今季はプリンスリーグでビッグチャンスが訪れながらも、1度も活かせずにいたという。「決める所で決められていなかったので、自分の中でも絶対に決めたいなと思っていた」金山は、時間を見つけてはシュート練習を繰り返してきた。そうした取り組みが、実った2ゴール。前田高孝監督は「アイツは凄く練習していたし、得点へのこだわりを持っていた。高2ぐらいだと抜いて満足したり、違う所に満足しちゃうけど、結果を出す所に関して自分で目を向けた」と金山を称えた。

 ヒーローとなった金山は広島県出身。進路を悩んでいた際に、所属していたシーガル広島の監督から近江を紹介され、入学を決意した。1年生の頃はボールタッチが苦手だったが、日々の練習によって違和感ないまでに成長している。今ではチームに欠かせない戦力だ。「近江に来たのは、全国に行きたいと思ったから。明後日も勝って、全国に行きたい」。そう意気込む男が、決勝でもヒーローとなる可能性は十分ありそうだ。

(取材・文 森田将義)
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