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5回戦では敗色濃厚から粘り勝ち。三田学園は高まった団結力、盛り上がり、主将の声も力にあと1勝へ

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三田学園高を存在感と声で支えるCB新井生主将

[6.3 インターハイ兵庫県予選準決勝 市立尼崎高 0-5 三田学園高 アスパ五色メインG]

 CB新井生主将(3年=神戸FC出身)は、三田学園高が変化した試合として、5回戦の芦屋学園高戦を挙げる。後半に追いつかれ、延長戦で一時2点ビハインド。それでも、追いつきPK戦の末に勝利した。

「あれは盛り上がって、その後団結してできている」という。今年の世代は1年時から競った試合でも粘り強く勝ち切る力を発揮。上野将嗣コーチも「(彼らの強みを)僕は攻撃陣だと思っていたんですけれども……それよりも精神力というか粘り強さ。最後まで諦めない、走り切るメンタリティー」を彼らの強みとして挙げていた。

 新井は「結構ずっと(先輩たちの陰で)Bで我慢してやってきたやつもいるので、我慢強さもあると思います。(今年は)層の厚さが強みかなと思っています」と説明。粘り強さ、選手層の厚さも武器に神戸弘陵高との決勝も上回る意気込みだ。

 新井は187cmのサイズが目立つが、後方から常に声を掛け続けている姿が印象的。「キャプテンに選んでもらっているのでチームを引っ張ることを一番大事にしていますし、メンタルのところ、雰囲気を作ることは大事だと思うので意識しています」という。

 この日は、コンビを組んだCB黒瀬直弥(1年)が出場停止明けだったが、「直弥は基本的に能力が高いし、こういう舞台にも慣れているので、『いつも通りやれば大丈夫』だと言っていました」と安心させ、連動しながら無失点で勝利した。

 彼の高い洞察力を活かしたプレッシングのコーチングは、チームに欠かせないものだ。「プレスのハメるタイミングや出るところは自分が動かしている自信がある」。今年は神戸弘陵との2試合で0-3、0-4と連敗しているが、いずれも新井は出場していなかった。

 それだけに本人も決勝へ向けて「雰囲気は絶対に変えられると思います」ときっぱり。課題もあり、選手層の厚いチームの中で「自分もスタメン確定じゃないと思う」と話すが、主将は大きな存在感と声でチームを支え、あと1試合も白星を掴む。

(取材・文 吉田太郎)
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