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昨年の雪辱を晴らすため…“神奈川組”が躍動した松本国際が質の違いを見せ決勝へ

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松本国際高松本一高を下して決勝へ

[6.4 インターハイ長野県予選準決勝 松本国際 2-0 松本一 長野Uスタジアム]

 松本国際高がさすがの強さを見せ、リベンジマッチの出場権を掴んだ。

「今でも話しますよ。『あの悔しさを忘れてないか?』」。勝沢勝監督は口にするのは1年前のことだ。昨年度のインターハイ予選決勝では、都市大塩尻と戦い0-1で敗戦し全国への出場権を逃した。後半ATでの失点による敗戦でもあり、チームには苦い思い出として色濃く記憶されている。

「昨年と同じ思いはしたくない」という強い共通認識でまとまる松本国際は、松本一高を序盤から圧倒する。ボールポゼッションで上回り、MF二木楓とFW岸琢人の両サイドがサイドの仕掛けで優位にたち、幾度も深くまで侵入。守ってはほぼ相手の最前線にポイントを作らせなかった。CB大澤香太郎を中心として守る松本一も、前述した両サイドの対応に手を焼き、崩しで活路を見出だせなかった。しかし、松本国際はフィニッシュのところで回数を出せず、そういった意味では松本一は耐えていた。

「うちとやるチームはスペースを与えてくれないので苦しいゲームになります。なかなか打開するのが難しい。テンポの良い時間帯にシュートで終わりたかったけど、その前段で変な取られ方をして。ただ、むこうは蹴るしかなかったので、点は取られないと思ったのでどうやって決めるかなと」

 勝沢監督はベンチからこう見ていた中、待望のゴールが生まれたのは前半28分だ。右CKをセットしたMF矢越俊哉がFW高城泰史に預け、リターンを受けて中央へ。これに反応して走り込んだ岸がダイレクトで蹴り込みネットを揺らした。「1点目は狙い通りで、ずっと練習していた形」と矢越は振り返る。

 後半に入っても危なげない展開が続いた中、先制点を呼んだ矢越が追加点を生み出す。終了間際の後半35分、矢越が右サイドからファーに送った浮き球がゴール前で混戦を生み、高城が蹴り込んで2-0に。その後、ATを経て試合は終了。松本国際が結果以上の差を見せて決勝へ駒を進めた。

 この日の2ゴールを生んだ矢越は神奈川の街クラブ・川崎CHMAPから、2点を分け合った高城と岸は横浜の宮田中から松本国際へ入学した。神奈川からの“越境組”3人が、決勝もキーマンになることは間違いない。

(取材・文 竹中玲央奈)
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