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「例年になく諦めないチーム」山形中央が東海大山形とのシーソーゲームを制して決勝へ:山形

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山形中央は後半3分のFW佐貝誠(3年=ながいユナイテッドFC)のゴールで反撃を開始した

[6.4 インターハイ山形県予選準決勝 東海大山形2-4山形中央 小真木原陸上競技場]

 令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体 2022」サッカー競技(徳島)の山形県大会準決勝が4日に行われ、山形中央高東海大山形高を4-2で下した。5日の決勝では羽黒高と対戦する。

 山形中央が新チームで戦った新人戦と今予選で無失点を続け、県リーグ1部でも4勝1分と好発進を決めていた東海大山形から4得点を奪って快勝。前半の1点ビハインドを逆転し、同点に追い付かれながらも突き放した内容のある勝利に、羽角哲弘監督も「決して上手くないチームだけど、例年以上に最後まで諦めないチーム。いいゲームができた」と目じりを下げた。

 試合開始直後からペースを握ったのは東海大山形だった。サイドから崩し、中盤がゴール前に走り込むサッカーで山形中央ゴールに迫り続ける。前半19分のFW岸大斗(3年=最上中)のクロスからこぼれ球を狙ったMF岸天馬(3年=最上中)のミドルはカバーに入ったDFに防がれたが、同21分、左サイドからエリア内に侵入したMF古川大誠(3年=モンテ村山)のシュートのこぼれ球をMF須貝秋良(3年=モンテ村山)がダイレクトで豪快に蹴り込んで、先制に成功する。

 山形中央も徐々にリズムを取り戻すと、前半32分にはDF菊地謙辰(3年=SFCジェラーレ)のロングスローを繋いで作ったFW佐貝誠(3年=ながいユナイテッドFC)のヘッドはGK阿部眞朱(3年=AC.Zeele)の正面に飛んだが、1点ビハインドで折り返した後半3分、MF高橋一颯(3年=モンテ村山)のFKをニアに走り込んだ佐貝が頭で合わせて同点。さらにFW篠田ヒカル(2年=山形三中)にボールを集めて連続して決定機を作りだすと、同15分、MF高橋健太(3年=山形七中)のアーリークロスにその篠田が走り込み、逆転弾を決めた。

 しかし東海大山形も直後の後半16分、左サイドからのクロスを岸大斗が頭で合わせて同点。試合をあっという間に振り出しに戻したが、勢いは山形中央のままだった。同22分、DF設楽卓人(2年=SFCジェラーレ)の右クロスから篠田がシュート。浮き球となったこぼれ球のクリアが中途半端となったところに菊地が詰めて、再び勝ち越しに成功すると、同28分にはGK清水塁斗(2年=モンテ村山)のロングボールで裏を取った篠田が、GKとの1対1を冷静に制してダメを押した。

 山形中央は昨年度も決勝に進出。東海大山形との対戦だったが、延長戦の末に惜敗。悔し涙を飲んだ。その東海大山形へのリベンジは果たした形となった山形中央だが、決勝の相手となる羽黒は、新人戦の準々決勝で1-4で大敗。4月23日に県リーグ1部で対戦した際も、0-3で敗れた難敵だ。

 しかしイレブンは「諦めないサッカー」で真っ向から立ち向かうつもりだ。ゲームキャプテンを務める菊地は「昨年度のような上手い選手がいないと言われて、最弱世代と言われてきたけど、見返したい思いでやってきた。明日はチーム一丸となって勝ちに行きたい」と力強く話した。

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校総体2022

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