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[MOM3872]日章学園MF金川羅彌(3年)_昨夏全国で強度、ゲーム読む力学んだボランチが悪い流れ断ち切る一撃

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前半22分、日章学園高MF金川羅彌が弾道の低い左足シュートを叩き込み、2-0

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.4 インターハイ宮崎県予選決勝 日章学園高 4-0 日南学園高 ひなた宮崎県総合運動公園サッカー場]

 前半10分に先制した日章学園高だが、その後は前からアグレッシブな攻守を見せる日南学園高を勢いづかせる時間帯があった。それでも注目ボランチが、その流れを断ち切って見せる。

 前半22分、日章学園は敵陣で押し込むと、PA手前でMF川越廉斗(1年)がキープ。左でパスを引き出したMF金川羅彌(3年=日章学園中出身)が、「昨日(準決勝)も左足で決めていて行けるかなと振ったら」弾丸ライナーの一撃が左ポストを叩いてゴールラインを越えた。

ファインショットを叩き込んだ金川は、「チームとしても良くない時間帯が続いていて、攻め込まれるシーンとか見受けられたので、悪い流れを自分のシュートでひっくり返すことができて良かったと思います」。序盤に2点リードしたことも影響したか、どこかハードワークする部分が不足していたチームの中で、背番号6は戦う部分や走る部分を表現していた。

「先生からも昨日言われていて、球際戦うところだったり、セカンド回収するところだったり、運動量のところは相手に絶対に負けちゃいけないところだった。きょうセカンドボールの回収やボランチのところで負けなかったのが勝ちにつながったと思います」。攻撃面でも積極的にハイサイドへ飛び出して決定的なクロスを配給していた。

この日は持ち味のサイドチェンジやミドルパスを活用しなくてもチャンスを作り出せていた。特長を発揮せずとも存在感ある動き。また、足を痛めていた影響でウォーミングアップが不十分だったが、貢献度は大きかった。

プロ志望の金川は、昨年からの成長も実感している。「去年はちょっと球際やセカンドボールの回収で鈍っていた部分があったんですけれども、今年はコーチとからも要求されて練習から意識してやっていました。準決勝、決勝くらいからでしたけれど、球際、切り替え、運動量は全国でも全然通用するものだと思っているので、全国までに個人としてレベルアップしていきたい」と力を込めた。

昨年のインターハイは、3回戦で米子北高のMF佐野航大(現岡山)と対峙。「試合前から先生たちにもあれくらいできればプロに行けると言われていました。対戦してみて特別上手いとは感じなかったんですけれども、球際やゲームを読む力がすごいなと思った」。強化してきた強度、そしてゲームの流れを読む力。金川は、この日のようにゴールで流れを変えることも狙いつつ、後方に落ちてチームを落ち着かせることも考えながらプレーし、チームを勝たせて行く考えだ。

強敵たちと対戦するインターハイはアピールの大会でもある。「チームが勝つために結果やアシストを見せていかないといけないと思う。それプラス、球際、運動量、セカンドボールを回収するのはベースになってくると思うので、そこで相手との違いを見せていきたいと思っています」。昨年からの成長を全国舞台で示し、評価を高める。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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