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日章学園の注目ルーキー、MF川越廉斗が宮崎決勝で3アシスト

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前半8分、PAでインターセプトした日章学園高MF川越廉斗が先制点をアシスト

[6.4 インターハイ宮崎県予選決勝 日章学園高 4-0 日南学園高 ひなた宮崎県総合運動公園サッカー場]

 全国出場を懸けた一戦で3アシスト。日章学園高の注目ルーキー、MF川越廉斗(1年=サガン鳥栖U-15出身)が結果を残した。

 中学時代にレギュラーとして日本一を達成しているMFは、つい1か月前までは1年生チームの一員として球蹴男児U-16リーグに出場していた。そこでスーパーゴールを決めるなど一際目立つ活躍をしていた川越は、インターハイ予選直前のプリンスリーグからAチームの先発に。この日、トップ下として先発した川越は、前半8分にいきなりビッグプレーをしてのけた。

 敵陣PAでビルドアップしようとする日南学園高DFの前に身体を入れてインターセプト。「ちょっとキックモーションの時に行けるかなと思って、身体を入れて取り切れたので良かった」。すぐさまサポートしたFW田上遼馬(2年)へラストパスを通し、先制点をアシストした。

 ボールを引き出す力の高い川越は、トップ下の位置でボールを収めて繋ぎ、スルーパスも。また、ゴール前のこぼれ球を狙って積極的にシュートへ持ち込んだ。そして、前半22分、PA手前でボールを受けると、左のMF金川羅彌(3年)へさばいて2つめのアシストを記録した。

 本職のボランチだけでなく、トップ下、そしてSHでも質の高い動きのできることが川越の強み。右SHにポジションを移していた後半30分には、右サイドを抜け出す形で一気に縦へ切れ込む。そして、FW皆川春輝(2年)へピンポイントのグラウンダークロスを通して三度アシストした。

 ボールに絡む回数が多かった分、スイッチのパスやドリブルが引っかかるシーンもあった。個で打開までは至らず、先輩たちと呼吸が合わなかった部分もある。ただし、抜け目なく相手のパスを引っ掛け、切り替え速くファーストDFの役割を果たす面も。本人は今大会無得点で終わったことを非常に悔しがっていたが、それでも堂々の70分間だった。

 原啓太監督は先発唯一の1年生について「(チーム全体がややバタバタする中、)一番落ち着いていたくらい」と評価する。また、金川は「身長もちょっとあるし、足下で収めてもらうシーンもあって、(自分は)ボランチとしてやりやすい面もありました。守備のところでハマらないところもあるので、ボランチから声を掛けながら要求していきたい」と後輩MFを讃え、より力を引き出す考えを口にしていた。

 その川越は、「ライン間でボールをもらったり、スルーパスは出来ていると思う。もっとスイッチになるパスだったり、ラストパスの質をもっとこだわっていきたい。(そして、)シュートの数が少ないので、シュートに強引に行くところをもっとしていきたい。後ろからの声がけをもっと聞く耳持って、(守備の)切り方とかをもっとしていかないといけない」と意気込む。

 自身初のインターハイへ向けては、「全国の強豪校がいると思うので、そこで結果を残して、もっと見られて、もっと上のステ―ジでやっていきたい」。ブレイクするために貪欲に力を磨いて、全国大会を迎える。

(取材・文 吉田太郎)
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