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日章学園の最前線で存在感放つ2年生FW田上遼馬が3戦連発。「全国に行ったら、まだまだ通用しないレベル」

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前半8分、日章学園高FW田上遼馬が先制ゴール

[6.4 インターハイ宮崎県予選決勝 日章学園高 4-0 日南学園高 ひなた宮崎県総合運動公園サッカー場]

 進化を続ける2年生ストライカーが、先制点を叩き出した。前半8分、日章学園高はMF川越廉斗(1年)が敵陣PAでインターセプト。ラストパスをFW田上遼馬(2年=日章学園中出身)が左足ダイレクトでゴールへ流し込んだ。

「廉斗と試合中、試合前からずっと話していて、裏や足下だとか良いタイミングでパスをくれるので、信頼してやれるところもある。フリーで俺に出してくれるという信頼感があったので準備はできていて、あとは決めるだけでした」

 後輩からのお膳立てで今大会3戦連発、計8ゴール目。前日の準決勝ではスーパーゴール2本を決めたという田上だが、「周りの人が良いパスをくれてのシュートだったので。得点シーンは良かったけれど、それ以外は満足していない」と自己評価は厳しい。

 この日は浮き球を胸で収めることにチャレンジし、鋭い縦パスを1タッチでサイドへはたく正確性も発揮。伝統的にスピーディーなパス交換を得意とする日章学園だが、この日は田上のキープ力を活かす形でシンプルなロングボールも増やしていた。そして背番号9は、1人でシュート6本。だが、この日も満足はしていなかった。

「だいぶ自分で仕掛けたり、シュートで行ける時は多くなったけれど、駆け引きや自分で行くのかパスで行くのか判断できていないところが多い。全国に行ったら、まだまだ通用しないレベルだと自分は思っている。個人でやり切れる部分もつけていきたい」

 早い段階で2点リードしたこともあってか、チーム全体的に利己的な動きが増加。田上も強引に仕掛けてチャンスを逸するところがあった。後半はヘディング弾などが立て続けにGK正面へ飛び、GKをかわしに行って決められないシーンも。結果も悔しい1得点だったが、本人の成長意欲は強い。

「ポストプレーをしながらターンとかで自分で行くところや、前向きにシュートを打てるのが一番良いと思うので、ボールを受ける前のところやターンの部分、一瞬のスピードとかを練習から身に着けていきたい。パワーは筋トレとかもしているので付いてきていると思うけれど、それに伴うスピードも付けていかないといけない」とまだまだレベルアップすることを誓う。

 目標は隣県の逸材ストライカーだ。「一個上にも目標というか、勝手にライバル視しているんですけれども、(神村学園高の)福田師王君に負けないくらいやっていきたいと思っているし、FWとして得点が一番目に見える結果だと思うので。それ以外の部分でも九州を代表するFWになっていきたい」。誰よりも結果を残しつつ、誰よりも努力、身体のケアを続ける福田に追い付くためには、これまで以上の日常も必要。可能性を秘めた田上は結果、日常にもこだわり続け、まずは福田と同じく2年生でのインターハイ得点王を目指す。 

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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