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決勝の舞台で完璧な試合運び…攻撃陣大爆発の大分鶴崎が鶴崎工に快勝!! 全試合完封で全国行きの切符獲得

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11大会ぶり5回目の総体出場を決めた大分鶴崎高

[6.6 インターハイ大分県予選決勝 大分鶴崎高 5-0 鶴崎工]

 令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体 2022」男子サッカー競技の大分県予選決勝が6日に行われた。決勝に進出したのは大分鶴崎高鶴崎工高。同地区の両校による“鶴崎ダービー”となった。

 前日の準決勝では両校とも悪天候の中、延長戦をフルで戦い抜くという厳しいコンディションではあるものの、疲れを微塵も感じさせない熱い戦いが繰り広げられた。

 特に大分鶴崎は、前日とは打って変わった快晴のピッチコンディションに呼応するように、テンポよくパスがつながり試合の主導権を早々に握る。

 守備の要、キャプテンのDF遠山隼都(3年)をコンディション不良で欠くアクシデントが心配されたが「力量的に遜色ない」(大分鶴崎・首藤謙二監督)というように、この日スタメンのDF奥田翔太(2年)が鋭い読みから的確なタックルを決め波に乗った。「相手は身長も高くて力強かったが、持ち味であるタイミングよく入るタックルで対抗できました」とセンターバックでコンビを組んだ同じ2年生のDF衛藤恵希とのコンビネーションが光った。

 準決勝で優勝候補の大分高を退けた鶴崎工も反撃に出る。前半8分、素早いパス交換からFW萱島飛瑠(3年)がエリア内に突入するが、ここは大分鶴崎GK三宮羽詩(3年)が鋭い飛び出しで阻止する。

 前半13分、試合は動く。左サイドからDF廣川陽介(3年)を起点にパスを繋ぐと、FW川野竜聖(3年)がドリブルで持ち込み、左足を思い切りよく振り抜いて見事な先制ゴール。10番を背負うエースの得点で大分鶴崎が試合の流れを一気に引き寄せた。

 この試合、大分鶴崎のFW楠元和馬(2年)のポストプレーが冴えを見せ、前線でボールが収まることで攻撃的MF伊東蒼馬(3年)らが躍動。得点元の川野に次々と好球が供給された。

 前半32分には左サイドを突破した川野が再びエリア内に侵入。この日2点目となるゴールを奪い勝利へ大きく近づいた。

 後半に入っても大分鶴崎の勢いは衰えない。後半6分、この日絶好調の川野が「小学校の時にはあったかも(笑)」というハットトリックを決め、3-0と大きなリードを奪う。鶴崎工もキャプテンDF倉見颯(3年)を中心に決死の守りで流れを引き戻そうとするが、不運なオウンゴールで4点目を献上すると、同30分には川野に4点目となるゴールを決められ万事休す。

 完璧とも言える試合運びで大分鶴崎はそのまま逃げ切り、今大会を無失点で終える快挙で11大会ぶり5回目のインターハイ出場を決めた。

 会心の勝利に首藤監督も破顔一笑「前半から自分たちのサッカーができた。得点も良い形でとれたのは今後の自信につながる」と満足げ。この日大爆発の川野は「楠元が良い形でボールを収めてくれて自分らしいプレーができた」と不発に終わった準決勝の鬱憤を晴らす最高のプレーで今大会を締めくくった。

 この日は欠場となったキャプテンの遠山も全国には間に合いそう。「今日は出場できず歯痒い思いもあったが、ここまで来られたのは仲間たちのおかげ。全国では最高のコンディションで臨み、大分鶴崎の新しい歴史を作りたい」と力強く語った。

 強敵ひしめく全国の舞台で、大分鶴崎がどのような戦いを見せるのか。躍動するポゼッションサッカーと強固な守備の融合した好チームの躍進に期待は高まる。

(取材・文 安倍令文)
●【特設】高校総体2022

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