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[MOM3891]星稜GK加藤夕暉(3年)_175cmの好守護神。ハイボールをキャッチし続けるなど雨中で“ノーミス”の70分間

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星稜高GK加藤夕暉は雨中で無失点勝利に大きく貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.6 インターハイ石川県予選決勝 星稜高 1-0 鵬学園高 金沢市民サッカー場]

 試合を通じて降り続いた雨による、難しいコンディション。1-0の後半半ば以降に星稜高は3連続CKを与えたほか、終盤に鵬学園高は186cmCB八十島陸翔(3年)を前線へ上げてパワープレーを繰り出してきた。

 ロングスローを含めて圧力を掛けられた星稜だが、相手の前に守護神、GK加藤夕暉(3年=一宮FCジュニアユース出身)が立ちはだかった。身長は175cmと特別な高さはない。だが、クロスボールの処理を武器とする加藤は「雨でも絶対に落とさないぞという気持ちでできました」。自信を持ってハイボールをキャッチし続け、相手に連続攻撃を許さなかった。
 
 ゴール前でファンブルしてしまえば、相手の決定機になってしまう。だが、加藤は自信を持ってキャッチを続け、“ノーミス”の70分間。触れられるかどうかのボールも懸命に指先に当ててはじき出そうとし、守備範囲広くゴールを死守した。

 河合伸幸監督は、その守護神をマン・オブ・ザ・マッチに推した。「あれだけハイボール出たり、シュートストップとか能力が相当抜けていると思うので、あれで相当救われていると思う。アイツがいる分、ラインも高くできる。きょうもノーミスでやってくれた」と賞賛。河合監督、また青森山田高でGK廣末陸(現ラインメール青森FC)やGK飯田雅浩(現国士舘大)を指導した大久保隆一郎アシスタントGKコーチも加藤の身体能力、GKとしての能力の高さを認める。

 加藤は「ジャンプ力とか、ダッシュする初速とか自信があります。(チーム内でも)速い方だと思います。ジャンプ力は小学生の時に学校で高跳びとかやっていたので。身長がないけれど、自分はジャンプ力があると思っているので、身体能力を活かしてやっています」。昨年は「絶対に止めれるという自信を持っています」というPK戦要員としてインターハイに出場し、2回戦で2本ストップの大仕事。その加藤は今回のインターハイで昨夏の悔しさもぶつける意気込みだ。

 加藤は昨年のインターハイ準決勝・米子北高戦でも2-2に追い付いた直後の後半35+4分に交代出場。だが、その直後に決勝点を決められ、チームは決勝進出を逃している。それだけに、今年の目標は自分がチームを勝たせること。「先輩に申し訳ないと思っていて、今年は自分が勝敗を分けられるように、勝たせられるようにしたい。今日みたいに自分の武器を発揮してやっていきたい」。175cmの注目GKが、抜群の安定感と身体能力の高さを発揮し、星稜を勝利へ導く。


(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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