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[MOM3897]長崎総合科学大附MF山下竣介(3年)_10番は中盤の攻防で存在感。雰囲気作りでも貢献度大

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長崎総合科学大附高の10番、MF山下竣介は回収力を発揮するなど勝利に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.10 インターハイ長崎県予選決勝 国見高 0-1 長崎総合科学大附高 トラスタ]

 中盤の攻防が勝負の肝になることを理解していた。長崎総合科学大附高の10番、MF山下竣介(3年=サガン鳥栖U-15唐津出身)は、MF竹田天馬主将(3年)とのダブルボランチで国見高の心臓部に自由を許さず。奪い切れないシーンも幾度かあったが、献身的なディフェンス、セカンドボール回収を続け、流れを自分たちに傾けていた。

「自分たちの確認でも相手の10番(北村一真)と7番(川添空良)は技術も高いし、落ち着いているので、自分と天馬がそこで戦って負けなければチームも絶対に負けないと思っていたので、そこで競り合えたのは良かったです」。技術力高い国見との中盤の攻防で互角以上とも言える戦い。特に前半や後半の立ち上がりにチームが押し込む原動力になっていた。

 自身と同じく小柄なレフティー、MFダビド・シルバが憧れという山下は左足の展開力も光る。「展開とか相手が思っていないプレー。嫌なところとか考えてやっています」。この日はゴールに絡めず「攻撃の部分で結果というところは求めていかないといけない」と満足していなかったが、それでもサイドへの好配球などで攻撃の起点となっていた。

 その山下は竹田とともにチームを「乗せる」役割も担っている。定方敏和監督は「あの2人が周りを見て、感じて、良い雰囲気にして、周りが乗って付いて行く」と説明する。また、後輩左SB平山零音(2年)も、「(山下は)話しやすくて結構面白いです チームの雰囲気が悪い時は山下さんが一番声を張り上げてやってくれるので。ボランチとSBで距離感も近いので、チームの雰囲気が悪い時に『ああすれば良いよ、こうすれば良いよ』と声を掛けてくれます」と10番に感謝していた。

「小嶺先生の下で全国行きたいし、全国で勝ちたいと思って来ました」と山下。恩師である故・小嶺忠敏前監督に頼ることはもうできないが、「小嶺先生がいないからできないとかじゃなくて、小嶺先生がいないからみんなで声を出して、全力でやっていきたい。(全国出場を決めたが、)これがゴールではないので、全国でもっと頑張っていけるように。練習からやっていきます」と前を向く。

 ピッチ外の清掃から率先してチームを引っ張る10番はチームの空気感を察知し、声がけすること、ハードワークすることを継続。よりフィジカル面などを強化し、ボールを奪い切る力、決め切る力を身に着けてインターハイを迎える。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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