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守護神がPKストップ!! 1年生FWが決勝弾!! 就実を延長戦の末に退けた玉野光南、10大会ぶり総体出場まであと一つ

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延長戦の末に就実を下した玉野光南高

[6.11 インターハイ岡山県予選準決勝 玉野光南高 2-1(延長) 就実高 岡山県笠岡陸上競技場]

 令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体 2022」サッカー競技(徳島)岡山県予選準決勝が11日に行われ、玉野光南高が延長の末に就実高を2-1で下し、12日の決勝に駒を進めた。

 開始直後から各エリアで激しいボールの奪い合いが続き、玉野光南はMF小野光稀(3年)やMF三好輝(2年)、就実はDF赤熊大和(3年)が投げ入れるロングスローからも得点を狙った。なかなか決定機までは至らなかったが、就実が前半15分に均衡を破る。FW山内裕大(3年)が左サイドを突破してセンタリングを送ると、ニアサイドに飛び込んだFW草野大吾(3年)が左足で合わせてネットを揺らした。

 その後は就実が押し気味に進め、敵陣で試合を進める時間を増やしていく。前半27分には右サイドからのFKをゴール前に送り、FW横田憲史郎(3年)がヘッドで合わせたが、わずかに左に外れて決まらなかった。

 ピンチをしのいだ玉野光南だが、攻撃では思うようにチャンスを作れずに前半を終えるかと思われた。だが前半アディショナルタイムの35+2分、GK常藤至竜(2年)のロングキックが就実の最終ラインの背後に通ると、抜け出したMF中藤竣(3年)が飛び出してきた就実GK細川隼之介(3年)の頭上を抜くシュートを決め、1-1として前半を終えた。

 数少ないピンチで失点して追い付かれた就実だが、後半の早い時間に勝ち越しのチャンスを得る。セットプレーのこぼれ球を拾って前に出た横田が、エリア内で倒されてPKを獲得。しかし、赤熊のキックは常藤に止められ、リードを奪うことはできなかった。

 守護神のビッグプレーで勢いづいた玉野光南は後半13分、MF右田達也(3年)の右からのセンタリングをファーサイドでFW船石一志(3年)が合わせたが、左ポストに当たって決まらず。就実も徐々に押し返し、同27分には山内が左サイドから右足でカーブをかけて狙うも、こちらはクロスバーに当たって決まらなかった。

 前後半70分間を戦って1-1で決着はつかず、10分ハーフの延長に突入。両チームとも力を振り絞ってゴールに迫り、ゴールを守る攻防が繰り広げられた。延長後半2分には就実が左サイドからチャンスを作り、山内が左足で狙ったが、常藤がセーブして立ちはだかる。

 PK戦が近づいてくる中、次のゴールを奪ったのは玉野光南だった。セットプレーの流れから右サイドでボールを拾ったキャプテンのDF安田右京(3年)が、ゴール前へ高速クロス。交代出場のFW鈴木大空(1年)がヘッドで合わせたボールは、ワンバウンドして左ポストに当たりながらも内側にはね返ってゴールインとなった。

 その後は就実がロングスローやCKで何度もゴールに迫ったが、玉野光南は守備陣が最後まで体を張って守り抜き、勝利をつかんだ。激闘を制して押され気味の試合を物にした要因について、乙倉健二監督は「我慢の時間が多かったですが、基本に忠実に、きちんと(ボールに対して)正面に入り続けるという泥くさいことを、全員がやり続けた結果」とコメント。「ゴールキーパーのセーブも含め、称えなければいけないビッグプレーがあったおかげの勝利。選手が誇らしいです」と称えた。

 2011年以来、10大会ぶり10回目のインターハイ出場を目指し、12日の決勝では優勝候補筆頭の岡山学芸館高と対戦する。乙倉監督は「主導権は当然、向こうが握ると皆さん予想すると思いますが、ボールを持つことだけがサッカーにおける主導権ではない。勝利の光を見つけて勝負していきたい」と語り、2019年の選手権予選決勝以来となる全国行きを懸けた舞台に闘志を燃やしていた。

(取材・文 石倉利英)
●【特設】高校総体2022

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