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勝負強さを発揮して頂点へ!! 瀬戸内、広島皆実に逆転勝利で“3大会連続”の全国大会出場

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2大会連続8回目の総体出場を決めた瀬戸内高

[6.12 インターハイ広島県予選決勝 瀬戸内高 2-1 広島皆実高 広島広域公園第一球技場]

 令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体 2022」サッカー競技(徳島)広島県決勝が12日に行われ、瀬戸内高広島皆実高を2-1で下し、2大会連続8回目の出場を決めた。

 前半2分(40分ハーフ)、瀬戸内は左ウイングのFW山口青(3年)がカットインから左足で狙ったが、広島皆実GK沖野嘉紘(2年)がセーブ。これで得たCKからのDF高橋隼士(3年)のヘディングシュートも上に外れたものの、立ち上がりからアグレッシブにゴールを目指した。

 だが、その後は広島皆実が落ち着きを取り戻し、パスを回されても危険なエリアへの侵入は許さない。山口のドリブル突破も、対面のDF新中優大(3年)を中心に的確に対応してチャンスを作らせなかった。

 そうするうちに前半23分、均衡を破ったのは広島皆実だった。瀬戸内の中盤でのパス回しが乱れたところでMF杉原優希(3年)がボールを奪い、ドリブルで運んでから右サイドのMF藤井永遠(3年)へ。スピードに乗ったままエリア内に入った藤井が右足を振り抜いたシュートが、左ポストに当たりながらもネットを揺らした。

 瀬戸内は前半、ボール支配率では上回ったものの、前述の開始直後の2本以外はフィニッシュに持ち込めず、次のシュートは前半34分にFW澤田佳憲(3年)がドリブルから狙ったもの。結局、前半のシュートは3本に終わり、広島皆実がリードしてハーフタイムを迎えた。

 後半5分、広島皆実は自陣からのロングパスに反応して抜け出したMF島田承馬(3年)がGKと1対1となるも、瀬戸内GK大木泰季(3年)がセーブ。瀬戸内の反撃を粘りの守備で防ぎ、同18分にカウンターから交代出場のFW中谷颯太(3年)がゴールに迫るなど、良い形を作って追加点を狙った。

 だが後半20分、瀬戸内がこの日4本目のシュートで同点とする。MF長村星羽(1年)が右サイドから切れ込み、ゴール正面約20メートルの距離で待つMF江川楓(3年)へ。一瞬、左サイドの様子をうかがった江川が「いつもなら左サイドへ展開しますが、自分が決めてやろうと思った」と判断してプレーを変え、内側に持ち出して右足を振り抜くと、ドライブがかかったボールがGKの頭上を破って決まった。

 これで勢いに乗った瀬戸内は後半29分、交代出場のFW浦岡龍之介(3年)が左サイドでボールを持つと、その内側をDF池田航陽(3年)が縦に走り抜けるインナーラップ。田中健二郎監督が「あの動きが大きかった」と語るプレーで相手2人を引きつけると、内側に切れ込んで対面の相手を振り切った浦岡が、エリア外から右足でカーブをかけてファーサイドに蹴り込み、一気に逆転に成功した。

 逆転された広島皆実は、その後のピンチをしのぐと、試合終了間際に多くのチャンスを作る。後半39分にはFKからゴール前で混戦となり、こぼれ球をFW藤井颯天(3年)が右足で狙ったが、瀬戸内守備陣にブロックされた。アディショナルタイムに入ってから2回、負傷者の治療やピッチ内に担架が入る場面があったため、48分を過ぎても終わらない長い試合となったが、48分40秒に試合終了のホイッスル。広島皆実の選手たちがピッチに崩れ落ちる横で、瀬戸内の選手たちの歓喜の輪が広がった。

 今回の予選で決勝トーナメントから登場し、1回戦から3試合続けて1-0勝利で勝ち上がった瀬戸内は、沼田高と対戦した11日の準決勝は、後半に先制されながらも2-1で逆転勝利。この日も後半の2得点で逆転勝利を収め、競り合いの中で勝負強さを発揮して全国切符をつかみ取った。

 昨年度のインターハイと選手権に出場している瀬戸内は、これで3大会連続の全国大会。田中監督は全国大会に出場し続けることによる経験の蓄積の重要性に加えて「一つでも多く勝ち、瀬戸内でサッカーをやりたいという選手が来てくれるようなチームにしたい」と語り、全国での上位進出を見据えていた。

(取材・文 石倉利英)
●【特設】高校総体2022

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