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茨城決勝のキーマン、明秀日立右SB藍原琉星は準決勝の悔しさを糧に

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明秀日立高の右SB藍原琉星がドリブル突破を図る

[6.15 インターハイ茨城県予選準決勝 東洋大牛久高 1-4 明秀日立高 ひたちなか市総合運動公園陸上競技場]

 昨年からAチームの試合を経験し、チームリーダーの一人としての期待も理解している。普段、チームメートに強く求めているからこそ、自分のミスが許せなかった。「人に言っている分、ああいう対応していたら付いて来てもらえない」。明秀日立高の右SB藍原琉星(3年=ウイングスSC出身)はこの日の悔しさを糧に決勝ヘ向かう。

 準決勝では、前半からグイグイとオーバーラップ。自信を持つ突破力と瞬時のスピードを発揮してチャンスに絡み、決定的なクロスも上げている。反省したのは、2-0で迎えた後半27分のプレーだ。対面の東洋大牛久高の左FW成島拓己(2年)にマークを外され。ヘディングシュートを決められてしまった。

「認知しながら失点しているのは力不足だなと思いました。自分のところでの失点は改善していかないといけないし、あそこでブレないメンタルを作っていかないと上でやっていけないなと思いました」。プレーはもちろんだが、ミスを引きずらないメンタリティーの必要性も痛感するゲームとなった。

 藍原は昨年、インターハイ予選後にAチームへ再昇格。FWや右SHとして出場機会を伸ばしているが、「選手権前に自分の特長が出せなくなってきた」という悔しい経験をしている。そして、今年1月に右SBへコンバート。「(前方にスペースがあって)仕掛けやすい。その分、守備もやらないといけないし、運動量も必要」という新ポジションで突破力と運動量を発揮するなど、チームの関東大会優勝に大きく貢献している。

「自分が誰よりも責任感を持ってやる」と意識して日々トレーニング。責任感強いDFはこの日の悔しさも決勝でぶつける意気込みだ。決勝で対戦する鹿島学園高は準決勝で6得点を挙げて快勝。左SHとして先発したエースMF林結人(3年)と右SH櫻井稜(3年)の2人と、明秀日立の強力な両SB、右の藍原と左の本橋雅人(3年)との攻防が勝敗を分けるポイントの一つになりそうだ。

 藍原は「何回も仕掛けて突破してということが、自分がチームに貢献できることだと思うので、それを止めたら自分が出ている意味がないですし、突破だったり仕掛ける姿勢は常に表現していきたい。自分たち2人のSBが突破できたら相手にとって相当怖い存在になれると思う」。まずは守備を意識しながら前にも出て、相手の両SHを押し下げることができるか。

 萬場努監督も決勝での活躍を期待した右SB。「ここ最近、(全国大会に)行けていないので、自分たちが一個行って、後輩にも経験させてあげたいですし、自分たちも経験して、さらにレベルアップしていきたい」と語る藍原が、チームのために走り、戦い、白星を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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