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[MOM3919]日体大柏MF古谷柊介(3年)_流経大柏、そして次は市立船橋…燃えに燃えている背番号10

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鮮やかな先制点を記録した日体大柏高MF古谷柊介(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.18 インターハイ千葉予選準決勝 日体大柏高 3-0 流経大柏高]

 日体大柏高の左サイドアタッカーMF古谷柊介(3年)が、プレミアリーグEASTに所属する流通経済大柏高から奪った先制点は実に鮮やかだった。

 前半31分、右サイドでMF平野伶(3年)がボールを受けると、「ロングフィードが来ると思ったので、まずはオフサイドにならないことを意識して、タイミングを考えて走りました」と、平野がキックモーションに入ったタイミングを見て、PA内左に出来たスペースに入り込んだ。

 平野から絶妙なボールが届くと、「トラップからシュートが遅くなると奪われてしまう。GKを見たらニアが空いていた」と瞬時に的確な判断をした古谷は、ボールを胸でトラップをすると、素早くもうワンタッチしてから右足を振り抜いた。強烈なライナーがゴール左ニアを突き破ってゴールネットに刺さると、古谷は全身で喜びを爆発させた。

 それ以降も左サイドで自慢のスピードとタイミングの良い中央への飛び出しを見せて攻撃を活性化。守備面でも戻るべきところはきっちりと戻り、セカンドボールを拾って反撃につなげるなど、後半アディショナルタイム6分の交代まで日体大柏の10番としての責務を果たし抜いた。

「周りからは相手が格上だと見られているからこそ、絶対に勝ちたかった」

 柏レイソルアライアンスアカデミーTOR`82出身の古谷は市立船橋のセレクションを受けるも不合格。「市船と流通経済大柏の『2強』を倒したい」という一心で業務提携をしている日体大柏に進学をした。1年の時は右サイドハーフだったが、高2で左サイドハーフになると出番が徐々に増え、今年は不動のレギュラーと背番号10を託された。

「まさか僕が10番を背負うとは思っていなかったし、この番号を背負うのはそれなりの覚悟があります」

 主軸として2強を倒す。だが、流経大柏も市立船橋もトップチームは2カテゴリー上にいるプレミアリーグにおり、県リーグ1部で戦うのは市船のセカンドチームと流経大柏のサードチーム。トップチームを倒す機会はインターハイ予選と選手権予選しかない。それゆえに今大会は燃えに燃えている。

「まずは1つ。でも、もう1つある。ここまできたからには決勝でも誰よりも走って、クロスを供給したり、ゴール前に突っ込んでいくプレーをどんどんしていきたい。今日のように点を決めてチームを勝たせたいと思います」。

 目標達成に向けてあと1つ。日体大柏の2大会ぶり3回目のインターハイはこの男の出来にかかっている。

(取材・文 安藤隆人)
●【特設】高校総体2022

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