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[MOM3922]日大藤沢MF野澤勇飛(3年)_元アタッカーのボランチが中盤の核に

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日大藤沢高の中盤の核へ成長したMF野澤勇飛

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.18 インターハイ神奈川県予選準決勝 日大藤沢高 2-1 川崎市立橘高]

「今日は効いていましたね、MVPに近いくらい。いつも走りますけれどね、アイツは」。日大藤沢高の佐藤輝輝監督はインターハイ出場を決めた試合後、MF野澤勇飛(3年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)の働きを称賛していた。

 2-0で迎えた後半は、川崎市立橘高にボールを保持される時間や高い位置から仕掛けられる回数が増加。だが、野澤はその運動量と的確な読みを駆使して相手のパスコースを消し、セカンドボールを回収し続けていた。また、味方DFラインをカバー。終了間際の1失点は反省だが、それでも白星は渡さなかった。

「いつも僕が武器にしているのはボールの扱いとかなんですけれども、そういう部分がちょっとできずにいたので。それでも、守備ではチームに貢献するぞ、という思いでプレーしました」。コーチ陣にも「武器」と認められる守備。それは攻撃的なポジションを務めていたころから自信を持っていたという。

「FWやっていた時期も自分は守備が上手いFWだ、みたいに言われていて……」。高校進学後は主にトップ下を務めていたが、ボランチへのコンバートに抵抗はなかったようだ。「ボランチなりの楽しさがある。FWにいるよりもボール受けれて広く見えたり、上がって行けたり、自分が得意な守備がより活かせるかなと思っています」。彼の台頭で、日大藤沢は中盤の核を手に入れた。

 佐藤監督は、「いぶし銀で文句も言わずハードワークしてくれる。中盤の核がいない中で絶対誰かいるよ、と探して、その中で野澤が出てきた。性格が中盤に合っていた」と頷く。そして、実直に役割を果たしてくれる選手たちの存在に「僕は恵まれています」と感謝していた。

 昨年、元日本代表MF中村憲剛が日大藤沢に来校。対峙した野澤は「敵としてマッチアップしてみて、そこ抜かれるかというシーンが結構あったので楽しかったです」と振り返る。ボランチ転向後は、日本を代表する名手の守備、パスを出す位置などを参考にプレー。FWやトップ下と異なり、守備で強く行きすぎずに我慢することも意識して成長を続けている。

 インターハイで対戦したいチームについて、野澤は「青森山田とか、(まだ出場が決まっていないが)今年強い前橋育英とかやってみたいです」とコメント。近年、日大藤沢はMF植村洋斗(現早稲田大)やMF植木颯(現日本大)、MF斉藤夏(現桐蔭横浜大)ら横浜FMの育成組織出身の好MFを輩出している。その系統も受け継ぐ野澤が、全国トップレベルの強敵相手にも攻守で強みを発揮し、目標の「優勝」を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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