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自身初の全国決めた198cmストライカー。日大藤沢FW森重陽介が「得点王宣言」

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日大藤沢高FW森重陽介が相手と入れ替わろうとする

[6.18 インターハイ神奈川県予選準決勝 日大藤沢高 2-1 川崎市立橘高]

 注目の大器がインターハイの「得点王宣言」だ。日大藤沢高FW森重陽介(3年=東京ヴェルディジュニアユース出身)は198cmの超大型ストライカー。CBとしても注目される二刀流の大器が、自身初となる全国大会出場を決めた。

 代表決定戦となった準決勝は前半から存在感ある動き。17分には「相手が結構CBとかで回して来たので自分が前から追い出したり取ったらチャンスになると分かっていた」とハーフウェーライン付近でインターセプトし、スルーパスで2点目の起点となった。

 敵陣でのスローインでは、密着マークされている状態でもボールを要求して1タッチパスやキープ。スピードにも自信を持つ森重はターンからの突破も狙っていた。後半終了間際に混戦から放った左足シュートはクロスバーをヒット。「自分が求められているのはゴールなのでそれが獲れなかったのは悔しい」と悔しがったが、体力が尽きるまで走り切ったことに胸を張っていた。

 自身の交代後に1点を返され、終了間際は不安の時間帯となった。ベンチから声でチームをサポートしたFWは、全国を決めて嬉し涙も。「声で守るというか、チーム一体となって最後守り切ることを意識していました。自分、人生で初めての全国だったので、嬉し泣きしてしまったんですけれども、まだチームの目標は全国制覇なので、ここからチームをもう一回作って、強豪校とかいっぱいいるんで、そこを叩けるようにここから仕上げていきたい」と意気込んだ。

 複数のJクラブが注目するストライカー。プロを目指す大器は、“利己的”にゴールを向かっていた昨年からよりチームのために戦うプレーヤーへ変化している。「守備とか自分のする仕事とか結構あるので、得点もそうですけれども、前でのポストプレーや守備をどんどんやって行ってチームに影響を与えられたら良いと思います」

 森重はピッチで自分の心境を表情、前進で表現する姿も印象的だ。チームメートの好プレーを一緒になって喜び、ギリギリの判定で相手ボールになった際などは全身で悔しがる。「去年から出ている身で、緊張で弱々しくなるのは情けないので、リラックスして、みんなもそういう雰囲気になったら良いなと思って意識してプレーしています」。まだまだコントロールできない部分もゼロではないが、勝利、ゴールへ全力のFWは全国大会でもチームに良い影響を与える。

 インターハイの目標は得点王だ。「自分は結果ということにこだわりたいので、まずインターハイはFWとして得点王を狙って行って、チームに貢献して、FWは(大津高の)小林俊瑛とか良い選手がいるので負けないように、自分はもっと上を目指しているんで、そいつらに負けたらいけない」。チームのために誰よりもゴールを奪い、誰よりも輝く。

(取材・文 吉田太郎)
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