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昨年度は試合直前にコロナで棄権…「必ず勝ってくれ」山梨学院は2年分の思い結実

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[6.19 インターハイ山梨県予選決勝 山梨学院3-0駿台甲府 韮崎中央公園陸上]

 山梨学院高が3大会ぶりとなるインターハイ本戦の出場権を掴んだ。「今までの練習も強度高くやってきたけど、体力的にも集中力ももう一段階強化して、ゲームの入りのところで勢いをつけられるチームにしたい」。主将MF宮岡拓海(3年)は夏の本番までの更なるレベルアップを誓う。

 コロナ禍が貴重な経験をさせている。昨年度大会で山梨学院は初戦となった準々決勝で棄権敗退。当日は会場で試合に備えてアップをしていたが、規定の時間までにコロナ感染疑惑があった関係者の陰性証明が取れなかったとこで、辞退が決まった。

 昨年度のチームにはほとんどのメンバーが絡むことが出来ていなかったが、宮岡とMF小棚木蒼大(3年)はサポートメンバーとして帯同していた。数十メートルで湧き上がった歓声、対戦するはずだった帝京三高の選手たちが喜ぶ様子をぼう然と見つめる先輩たちの姿、着替えを終えてバスの前で親に電話をかける光景……。今でも鮮明に思い出すことができるという。

 前日に行われた準決勝のあと、先輩の一人から連絡が入った。順天堂大に進学したDF柴田元からで、「必ず勝ってくれ」というものだった。「これは絶対に負けられないなと思った」(宮岡)。雷雨中断にも見舞われた決勝戦だったが、イレブンは最後まで集中力を切らさずに3-0で快勝し、ピッチの上で喜びを表現。2年分の思いが結実した瞬間だった。

(取材・文 児玉幸洋)
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