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山梨県の勢力図に風穴…「勝てるチームになってきた」駿台甲府が準優勝

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[6.19 インターハイ山梨県予選決勝 山梨学院3-0駿台甲府 韮崎中央公園陸上]

 決勝で敗れた駿台甲府高だったが、保坂吉紀監督は表情はどこか清々しく見えた。「間違いなく成長するきっかけを掴めた大会になりました」。新興勢力が山梨県の勢力図に風穴を開けようとしている。

 これまでも強化指定部としてサッカー部の強化に力を入れてきた駿台甲府だが、強豪校がひしめく山梨県にあって、“8強の壁”に跳ね返され続けてきた。そこを「一気にカテゴリを2個上げられた」。保坂監督は「大事なところで勝てるチームになってきた」とにこやかに話す。

 急成長の裏に欧州のトップクラブも取り入れる“エコノメソッド”がある。県内の育成クラブであるアメージングアカデミーの協力で、月に1回ほどバルセロナ出身のスペイン人コーチが派遣され、攻撃の個人戦術をメインに、「賢い選手をつくること」をモットーとする指導を受けている。入学初年度から本格的に指導を受けたのは、今年の3年生が初めてだった。

「今回の予選でスタイルが形になってきたし、あとは質を高める細かい所を高めていきたい。再現性を大事にしているので、みんなが理論的に言葉で説明できるようになれば、もう少し安定した強さが出るのかなと思いますが、かなり頭を使うサッカーが出来てきているのかなと思っています」

 さらに保坂監督は「今度は準優勝したという目で見られるので、そこのプレッシャーはありますが、まだまだチャレンジャーです」と強調した上で、「強豪校の仲間入りができそうな雰囲気は感じています」と手ごたえ語る。目指すべきは頂点だけ。この経験は必ず、県リーグ、そして選手権予選に繋げる。

(取材・文 児玉幸洋)
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