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「それが自分の仕事」。昨年の活躍でハードル上がる関東一FW本間凜はどんな相手でも仕留めて、勝つ

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関東一高のU-17日本高校選抜候補FW本間凜は注目されるに相応しい活躍を目指す

[6.19 インターハイ東京都予選決勝 関東一高 0-1 帝京高]

 目標としていたインターハイ出場。準々決勝で3得点の10番は「(出場権を獲得できて)本当に良かった」と喜ぶ一方、代表決定戦だった準決勝、そして東京王者を懸けた決勝で「何もできていない」と悔しがる。関東一高のU-17日本高校選抜候補FW本間凜(3年=JSC CHIBA出身)は、「自分の仕事」仕留めることに専心して結果を残す。

 この日、関東一は準決勝から先発8人を入れ替え、下級生中心の陣容。本間は0-1の後半13分からピッチに立った。普段よりも攻撃の起点になることも意識しながらプレー。ハイサイドへ抜け出す動きや落ちてポストプレーする動きでチームに流れを生み、スルーパスも狙っていたが、その上でゴールを奪わなければならなかった。「(PK戦決着だった準決勝も決勝も)自分が1点獲っていればチームを勝ちに持って行けた」。力不足を感じる2試合となった。

 昨年度の選手権予選では、決勝まで4戦連発。全国大会でも矢板中央高(栃木)戦で劇的な決勝点をマークするなど2得点を記録した。一気に高まった評価。選手権後、U-17高校選抜候補に選出され、Jクラブや強豪大学から注目される存在となったが、本間は「先輩がいたからああいうパフォーマンスができただけ」と首を振る。

「正直、注目されているのは凄く嬉しいですし、その期待に応えないといけないんですけれども、まだ実力というか技術が劣っている」と自己分析。鋭い抜け出しを繰り返しできる力や勝負強さが印象的だが、本人は「飛び抜けたものが何もない」と語る。

 インターハイまでの短い期間で特化した武器が身につくわけではない。だからこそ、全国大会では味方との連係をより高めて仕留めることに集中する。「(自分一人でやるのではなく、)仲間を信用しつつ、自分が最後仕留めて、それでやっぱり決めるのは本間だなと全国に知らしめたいなと。『それが自分の仕事』。それだけですね」と力を込めた。

 Jクラブへ練習参加して学んだことを表現できているという。「結構体の使い方とか、上手くやれているなと。ちょっと入れ替わるところや収めるところ、味方との距離とかを把握できるようになってきた」。MF小関陽星やFW笠井佳祐(ともに桐蔭横浜大)ら大学サッカーで活躍中の先輩同様、小野貴裕監督からじっくりと時間を掛けて育てられているストライカーのキレがさらに増し、本領を発揮する瞬間はこれからだ。

 昨年度の活躍で周囲からのハードルが上がったことは確か。それでも、「それを決めないと関一にとって10番を付けている意味がないので、それを仕留めるだけ。それだけですね」と語るエースが、全国大会でゴールを決め続けて関東一を勝たせる。

(取材・文 吉田太郎)
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