beacon

積極的な交代策でつかんだ流れ…“過去最高”目指す矢板中央、三田学園に3発勝利で2回戦へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

3発完封勝利の矢板中央(栃木)が初戦突破

[7.24 総体1回戦 三田学園 0-3 矢板中央 ヨコタ上桜スポーツグラウンド(吉野川市多目的グラウンド)]

 令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体 2022」のサッカー競技が24日に開幕。ヨコタ上桜スポーツグラウンドで行われた三田学園高(兵庫)と矢板中央高(栃木)の一戦は、MF長田皐汰(3年)の先制点を皮切りに3点を奪った矢板中央が勝利した。25日の2回戦では、徳島市立高(徳島1)と対戦する。

 過去15年の選手権では、ベスト4進出を5回、ベスト8進出を2回果たす矢板中央だが、今回で11回目の出場となるインターハイでは、2010年度と2014年度に記録したベスト16が最高成績。「うちは夏に弱いんですよ。なかなか結果が出ていないので、チャレンジしたい」と高橋健二監督が苦笑いする通り、夏にも強い矢板中央を見せ付けるのが、今大会のミッションだ。

 ただ、この日の序盤は「この学年にとって初めての全国大会。ほとんどの選手が、昨年のチームに関わっていなかったので、緊張という部分もあった」(MF田邉海斗、3年)ため、矢板中央らしい迫力のある攻撃が繰り出せない。エースのFW宮内泉太朗(3年)を中心にテンポよくパスを繋ぎ、ゴール前に2人目、3人目が飛び出して行く三田学園に攻め込まれる場面も見られた。

 決して満足の行く試合展開と言えない流れを変えたのは、積極的な交替策。「うちのチームは積極的に前の選手をチェンジして、活性化を図るのが一つの戦術」と口にする高橋監督が素早く動き、前半18分にはMF高橋海斗(3年)、同29分にはFW若松優大(3年)を投入し、前線を活性化させた。

 三田学園にとって特に脅威となったのは、若松。「途中から出てきた10番の選手(若松優大)がちょっと厄介でした。10番が入ってからはSBの背後へのボールが増え、そこへの対応でDFがずれて、ファーサイドが空いてしまった。今日みたいに早めに交替して攻めてくるチームは初めてだったので、ちょっと戸惑いました」。三田学園のMF山根遊馬(3年)が振り返った通り、若松の投入を機に流れが矢板中央へと傾き始めた。

 前半32分に若松がゴール前に入れたパスは、シュートに繋がらなかったが、中央でパスを繋いで、再び左に展開。今度は若松がクロスを上げると、ファーサイドの長田がヘディングで叩き込み、矢板中央が先制。同35+5分には、DF木村匠斗(3年)が左からロングスローを入れると、ゴール前で競ったこぼれをファーの高橋海斗が押し込んで、2-0で前半を終えた。

 後半6分にはサイドを抜けた高橋海斗のパスから、若松がゴールネットを揺らし、3点差まで引き離したが、終盤は後がなくなった三田学園に押し込まれる場面が増加。「後半は自分の持ち味であるワンタッチプレーやセカンドボールの回収ができた」と山根が振り返ったように、三田学園の持ち味であるショートパスで崩され、ポストに助けられる場面も2度あった。

 結果的には3-0で矢板中央が勝利したが、高橋監督は「(後半に相手のシュートが2本、ポストに助けられた)やっぱりああいう所は緩い。今日と同じようなゲームをやっていたら、明日は地元の第一代表の徳島市立だから、コテンパンにやられてしまうと思う」とコメント。「勝利できたのは良かったけど、相手の時間帯が結構あったので修正したい。相手の時間帯ということはうちが悪い時間帯だから、悪い所を中にいる選手たちで修正できるチームになってほしい。それができる選手が出てきてほしいと話をしました」と続けた。修正箇所は成長の余地とも言える。一戦一戦成長しながら、最高成績を塗り替えるチャレンジを続けていく。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2022

TOP