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帝京長岡も「全国で勝つのはこういうチームか」と体感…東山、“不安”を払拭する後半4発逆転勝利!!

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逆転勝利を収めた東山高(京都)が3回戦進出

[7.25 総体2回戦 帝京長岡 1-4 東山 JAアグリあなん運動公園陸上競技場]

 7月25日、2回戦が行われた令和4年度全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会男子の部。JAアグリあなん運動公園陸上競技場の第2試合では帝京長岡高(新潟)と東山高(京都)が対戦。東山が4-1で帝京長岡を下し、3回戦へと勝ち進んだ。

 先制点を奪ったのは、帝京長岡だった。前半14分、FW堀颯汰(2年)が「自分でやりきろうと思って」中のスペースに切り込んで行き、ゴールを挙げた。しかし、2点目を取ることができずに1-0で前半を折り返し、リードしていたものの少しずつ苦しくなっていく。

 帝京長岡にとってインターハイ初勝利となった1回戦の佐賀東戦では、縦にコンパクトな陣形が保たれていたが、「相手の2トップとサイドはスピードがあって、徐々に間伸びしてしまったことでプレッシャーが掛からなくなり、相手の時間を長くさせてしまった」(古沢徹監督)。本来であれば相手の間を通すパスをうまく出せるにも関わらず、「失点してからは、中央を通すパスを出す怖さもあった。バックパスが多くなり、チャレンジできなくなっていた」(堀)。

 帝京長岡にとっては思い通りにできない悔しい結果となったが、「しっかり受け入れたい」と話したキャプテンのDF桑原航太(3年)。「自分たちはすべてが中途半端だった。『負けてから気付く』というのはこのことか、と思った」という。「全国大会で勝っていくのはこういうチームか、と体感した。自分たちももっと練習から(全国で勝つことを)意識していかないと」と、冬に向けてさらに強くなる意志を示した。

 この2回戦が初戦となった東山は、1失点して折り返していたが、「ハーフタイムに福重良一監督から『まだまだできるよ』と言ってもらった。その言葉を信じて後半に臨むことができた」と振り返ったのは、キャプテンのDF新谷陸斗(3年)。後半8分、相手がCKで蹴ったボールを回収すると、「正直言うと、最初はサイドラインの方にクリアしようと思った。けれど、それでは攻撃には繋がらない」と判断。新谷の強みの一つであるスピードを生かし、ボールを追ってきていた相手選手を剥がして前へ運んだことが起点となり、MF清水楓之介(3年)が同点弾を奪った。

 さらに後半11分にMF阪田澪哉(3年)、同28分と同35分にはFW豊嶋蓮央(3年)が追加点を挙げて、計4ゴールで相手を圧倒した東山だが、インターハイ京都府予選を終えてからはチームとして、うまくいかない時期があった。選手たちが今年目標としているのは、日本一。その目標に対して「本当に日本一になれるんだろうかと不安に思う気持ちもあってか、チームが一つになれていない感じがあった。キャプテンの新谷にとっては、全員がついてきてくれず、辛かったかもしれない」とその時を振り返った阪田。「そのキャプテンのために、このインターハイは必ず勝とうと」(阪田)臨んでいる。

 自分たちの目指す最も高い位置に辿りつくためには、一戦必勝。3回戦では矢板中央高(栃木)と対戦する。

(取材・文 前田カオリ)
●【特設】高校総体2022

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