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「足、ガッタガタ」の緊張も、履正社GKジョン・カミィ・信バーがビッグセーブとキックで魅せる

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履正社高GKジョン・カミィ・信バーは攻守で魅せて完封勝利。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.25 インターハイ2回戦 神村学園高 0-2 履正社高 徳島市球技場第2競技場]

 履正社高(大阪1)は神村学園高(鹿児島)との大一番で快勝。GKジョン・カミィ・信バー(3年=刈谷JY出身)が攻守で魅せた。前日の1回戦は後半にGK湯地駿介(3年)が負傷。緊急出場となったが、この日は先発で70分間ゴールを守り抜いた。

「試合前は緊張しなかったんですけれども、始まってからが凄くて。足、ガッタガタになってしまったので。キックミスしなかったので良かった」とジョン。「足、ガッタガタ」の状態だったが、前半15分に枠を捉えたシュートを素晴らしい反応で阻止すると、徐々に落ち着きを取り戻す。

 緊張を解すため、ゴールを背に一人「歌ったりしています」。また、セネガルにいる父からの「ボイスメッセージ思い浮かべながら」自分をコントロールしながら試合を進める中、次に訪れたヤマ場は後半7分の先制点後だ。味方が1点を獲ってくれたことで逆に重圧は増したという。

 だが、「ここからだと思った」ジョンは気持ちを入れ直して守備。幸い、先制点の4分後に追加点が決まり、2点リードとなったことで思い切ったプレーができるようになったのかもしれない。

 素晴らしい弾道のキックを通してあわやアシスト。試合終了間際の35分には今大会の最注目FW福田師王(3年)との1対1を再び好反応で止めた。「迫力あった」「凄いですね」という福田ら神村学園に危ないシーンも作られたが、緊張を感じさせないようなパフォーマンスで無失点。大型CB平井佑亮(3年)を怪我で欠く中、好守を続けてくれた仲間たちに感謝したジョンがここから先の戦いでも対戦相手の前に立ちはだかる。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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