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後半アディショナルタイムにMF田中が劇的FK弾!帝京が07年以来の8強入り!

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帝京高がベスト8進出。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.26 インターハイ3回戦 帝京高 3-2 丸岡高 鳴門大塚]

 名門復活への歩みを進める帝京が劇的勝利で8強入り――令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体 2022」サッカー競技(徳島)は26日、3回戦を行い、帝京高(東京1)と丸岡高(福井)が対戦。帝京が3―2で勝ち、07年度大会以来となる準々決勝進出を決めた。

 帝京は2回戦で前回王者の青森山田高(青森)に逆転勝ち。02年度以来となる復活Vへ大きな関門を突破した。4-2-3-1システムを組んだ3回戦の先発はGK川瀬隼慎(2年)、左SB島貫琢土(3年)、CB梅木怜(2年)、CB大田知輝(3年)、右SB並木雄飛(3年)、ダブルボランチが司令塔の押川優希(3年)に代わって先発の藤崎巧士(3年)と田中遥稀(3年)、左SH松本琉雅(3年)、右SH橋本マリーク識史(3年)、トップ下が伊藤聡太主将(3年)、1トップを齊藤慈斗(3年)が務めた。

 一方の丸岡は初戦で日大藤沢高(神奈川2)、2回戦では最多優勝9回を誇る市立船橋高(千葉)を1-0で下し、19、21年度大会に続く3大会連続の16強入り。4-4-2システムのGK清水唯太(2年)、左SB渡辺颯生(3年)、CB山田健太主将(3年)、CB鷲見琉希(3年)、右SB徳山港音(3年)、ダブルボランチが奥村洋武(2年)と渡辺祥気(2年)、左SH伊藤大貴(3年)、右SH岡俊樹(3年)、2トップに中川優斗(3年)と小関晴人(3年)が構えた。

 立ち上がりから帝京が長短のパスを交えて押し込むが、勢いのある丸岡は前へ出てボールをカット。それでも、個々のテクニックと強さに秀でる帝京は狭い局面で失わずにボールを繋ぎ、5分、7分と左サイドからチャンスを作り出す。そして8分、先発起用されたレフティー・藤崎のライナー性の左足CKが中央にこぼれる。これを大田が右足で蹴り込み、帝京が先制した。

 帝京はその後も主導権を握って細かなパスワークや齊藤の強さを活かした縦へのボールで攻撃。一方の丸岡は山田と鷲見を中心にチャレンジ&カバーを徹底し、PAにこぼれたボールへの反応速くクリアする。そして、俊足FW小関へのロングボールで押し返し、山田のロングスローを伊藤が頭でそらすなど反撃。帝京もセットプレーや敵陣でのインターセプトからゴール前のシーンを作り出し、齊藤や藤崎がシュートを放つ。だがやや間延びしたことが影響してセカンドボールの回数やチャンスの回数を増やすことができない。
 
 帝京の1点リードで迎えた前半アディショナルタイム、丸岡の高速エースのスピードと強さが炸裂する。38分、右中間での混戦を一気に抜け出すと、追いすがるDFを上回るスピードでゴールへ迫り、右足で同点ゴール。さらに35+5分、同様の形から再び小関が抜け出し、GKとの1対1を右足で制した。
 
 逆転された帝京は後半開始から橋本とMF山崎湘太(2年)をスイッチ。だが、丸岡は前へ意識を強めて相手の背後を突く形で、左サイドから連続でチャンス。帝京は8分に押川、14分にMF山下凜(3年)をピッチへ送り出す。丸岡も11分に俊足FW川下恭太郎(2年)を右サイドへ投入。そして、クーリングブレイク直前に帝京が同点に追い付いた。

 ワイドへの展開から攻撃を繰り出す帝京は17分、田中の右CKを中央の島貫が頭で合わせて同点。この後、ともにセットプレーからチャンスを作り合う。特に帝京は高い位置で押川が崩しに係り、また攻め上がった大田がフィニッシュするなど人数を掛けた攻撃。一方の丸岡もサイドからクロスへ持ち込むなど攻め返す。

 丸岡は35+2分、活動量豊富なMF名倉洸悠(3年)を投入。35+5分にPAやや外側で伊藤がFKを獲得し、岡が狙うが帝京の黄色い壁に阻まれた。逆に帝京は35+8分のFK直前にDF小林佳太(3年)を投入。そして35+9分、田中が放った右足FKが1バウンドしてゴール左隅へ決まる。これが決勝点となり、試合終了。帝京が劇的勝利で8強入りを果たした。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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