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関東勢3連破へ迫るも、最後「逃げた」「甘かった」。丸岡はより勝ち切る力身に付けて冬へ

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関東勢2校を破った丸岡高だが、3回戦で悔しい逆転負け。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.26 インターハイ3回戦 帝京高 3-2 丸岡高 鳴門大塚]

 小阪康弘監督は、「最後、『逃げましたね』。『逃げた』というか、サボったというか。どこかで勝負に対して甘かった」と指摘し、CB山田健太主将(3年)も「チーム全体が緩んだというか、『逃げたな』と。それに尽きるかなと思います」と首を振った。

 公立の強豪校・丸岡高(福井)は、前評判の高い帝京高(東京1)相手に2-1とリードして前半を折り返した。相手にボールを握られる展開だったが、球際で食い下がり、素早いカバーリング。集中力高く戦い、FW小関晴人(3年)とFW中川優斗(3年)への素早い縦パスなどで帝京を間延びさせた。

 そして、エース小関の2発で逆転。後半立ち上がりも左サイドからの崩しで追加点のチャンスを作り出していた。山田が「悪い中でもチームとしてできていたのが市船戦だった」というように、後半もチームとしてやるべきことを徹底することができれば、市立船橋高(千葉)戦に続く“大物食い”をすることができたかもしれない。

 だが、勝負どころで引いて、逃げてしまっての敗戦。不要なセットプレーを与え、失点を重ねてしまった。山田は“逃げた”という言葉を発した理由について、「キツい時間帯で守り切らないといけないところでチーム全体で引いちゃったり、球際のところであと一歩競れるのに寄せないとか、CKにするまでの過程とか、一歩一歩甘かったなというのが全て『逃げたな』ということに繋がった」と説明する。追いつかれた後も前向きに戦い抜くメンタリティー、実力が足りなかった。

 日大藤沢高(神奈川2)、市立船橋、帝京と続いた対関東勢3連戦。関東の強豪チームと渡り合い、見事2つの白星を勝ち取った。だが、勝ち抜くことはできなかった。これでインターハイは19、21年度大会に続く3回戦敗退だ。

 小阪監督は、「経験にはなりましたけれども良い経験になっただけで、それを勝ち切るというのが力のあるチームだと思う」と語り、山田も「ここで勝ち切る力が強豪校と自分たちの差ですね」。厳しい環境で揉まれている力を発揮して逆転した帝京のように、勝ち切るチームにならなければならない。今後はまずプリンスリーグ北信越への復帰と選手権出場に集中。そして、より警戒されるであろう選手権で今回以上の勝ち切る力を表現し、壁を破る。
 
(取材・文 吉田太郎)
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