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[MOM3958]大津FW山下基成(3年)_“相棒”に収まった男…嫌な流れを吹き消す先制弾!!

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勢いをもたらす先制点を奪った大津高(熊本)FW山下基成(3年=19)が仲間の祝福を受ける

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.26 インターハイ3回戦 大津 3-1 関大北陽 徳島スポーツビレッジピッチC]

 U-19日本代表FW小林俊瑛(3年)という絶対的な前線の柱がいる今季の大津高(熊本)における一つのキーポイントとして「その相棒を誰にするか」という命題があった。適材となるタレントがいなくて困るという話ではない。「誰が出ても本当に問題がないくらいの選手層」と山城朋大監督が胸を張るように、その候補選手が多すぎるのだ。

 熊本県予選では期待の1年生FW山下景司がその役目を担うこともあり、サイドでプレーしている選手を前に出す選択肢もある。だが、この総体ではFW山下基成(3年)がポジションを手にして存在感を見せている。

 日本代表FW上田綺世の映像を観て動き出しなどを学んでいるという山下基の特長はDFを出し抜いてフリーで抜け出すランニングプレーとこぼれ球への反応の鋭さ。この試合でも、その特長はしっかりと表現されていた。

 やや雲行きの怪しい立ち上がりだった関大北陽との3回戦、その嫌なムードを吹き消すゴールは開始7分に生まれた。ロングスローに対して長身FW小林が競る大津の黄金パターン。「(小林は)デカいので勝てるから」と先に触るところを予測して構えていた山下基が抜け目なく押し込んで試合の流れを作るゴールを決めてみせた。

 その後もスペースに流れる動きや苦しい時間帯での守備を含めて奮闘。「俊瑛との連携のところも二人で話し合ってやれている」という言葉どおり、互いの良さを引き出し合う関係性も含め、“大津の2トップ”は対戦校の脅威となっており、このあとの戦いもやはりこのコンビが鍵を握りそうだ。

「準々決勝は相手も強いと思うんですけど、自分たちのプレーをして一試合一試合を戦っていきたい」

 準々決勝の相手は関東の強敵、昌平高(埼玉)。相手にとって不足はない。

(取材・文 川端暁彦)
●【特設】高校総体2022

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