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[MOM3959]湘南工科大附DF三浦翔遼人(3年)_示した主将としてのプライド…“旧友”との対戦を心待ちに、さらなる高みへ

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湘南工科大附高(神奈川1)のキャプテンマークを託されるDF三浦翔遼人(3年=左)

[7.26 インターハイ3回戦 湘南工科大附 1-1(PK5-4)履正社 徳島スポーツビレッジピッチC]

 簡単な試合にならないこと、DFとしてもキャプテンとしても試されるゲームになることは試合前から想定していた。湘南工科大附高(神奈川1)の主将、DF三浦翔遼人(3年)は腹をくくって3回戦・履正社戦に臨んだ。

「相手は高円宮杯プレミアリーグのチームで、自分たちにスター選手はいない。全員で一丸になって戦うしかないと思っていた。サポートメンバー含めて全員で戦うことを考えていた」

 まずはベースの部分を全員で徹底した。室井雅志監督が「今年のチームは三浦を中心によく声が出る」と評すとおり、戦術的な部分でも精神的な部分でも声を出し合ってしっかりと試合中にコミュニケーションを取りつつ相手に対応していく。その上でDF個人としても選手個々が真っ向勝負を挑んだ。

「逃げずに戦う」と言うのは簡単だが、全国大会のピッチで実践するのは難しい。ただそれでも、ハードにぶつかり、ミスを待つのではない、ボールにチャレンジする姿勢を徹底した。「何度かやられてしまった」と振り返るとおり、今大会屈指のFWである履正社の古田和之介(3年)に置き去りにされる場面もあったが、そこで消沈するのではなく、対応を修正しながら戦うマインドを保持。主将としてのプライドを感じさせるプレーぶりで、チームを鼓舞し続けた。

「1回負けたからってやられたら、こういう場所では勝負にならない。そこは逃げずにやろうと思っていた」

 また守備の強度に定評のある相手に対しても、後方から繋いでいく湘南工科大附の“売り”の部分を押し出すことも忘れなかった。

「やっぱり自分たちはそこに自信を持ってやっていかないといけない。別に体格が大きいわけではないですし、そういうところで勝負していかないといけない。そこは全員で意識して、やれるところはやれていたと思う」

 掴んだ会心の勝利。プレミアリーグに所属する関西の強豪を相手に真っ向勝負を挑み、見事な勝ち星を掴み取った。

 そしてこの冒険をここで終わらせるつもりはない。大津高のU-19日本代表FW小林俊瑛(3年)との対戦を心待ちにしているからだ。三浦は藤沢市立藤ヶ岡中の出身で、小林は藤沢市立鵠沼中の出身。同じ市内の公立中学校でしのぎを削り合った間柄であり、「小学校の市トレセンから一緒だった」という仲間が大きく羽ばたいている姿は「本当に刺激になっていた」。この日の試合前も言葉を交わして「パワーをもらえた」という三浦にとって、「決勝で戦いたい」相手だ。

 湘南工科大附にとっての過去最高成績は1981年度の4強。それを越える高みを目指す。

(取材・文 川端暁彦)
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