[MOM3966]帝京MF山下凜(3年)_「ここで一発やってやろう」。交代出場MFが思いぶつけて決勝点!
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.29 インターハイ準決勝 帝京高 1-0 昌平高 鳴門大塚]
初の決勝進出を狙う昌平高(埼玉)は、U-19代表候補MF荒井悠汰(3年、FC東京内定)とU-17高校選抜MF篠田翼(3年)をベンチスタート。後半、試合終盤にギアを上げる戦略で戦いを挑んできていた。それに対して帝京高(東京1)は、前半終了間際からピッチに立っていたMF山下凜(3年=サガン鳥栖U-15出身)が決勝ゴール。相手に負けない強力な交代カードが、名門を19年ぶりの決勝へ導いた。
山下は後半16分、右サイドで崩しに絡むと、MF松本琉雅(3年)のポストを叩いたシュートの跳ね返りに反応。「自分、(松本のシュートが)入ったと思ったんですけれども、こぼれても反応できるように準備していた」MFは、右サイドの角度のない位置から右足シュートをニア上のネットに突き刺した。
直前にクロスを跳ね返されていたこともあり、このシーンではクロスではなくシュートを選択。「今大会、前線で自分以外大体決めていたので、結構焦りがあったんですけれども、『ここで一発やってやろう』と思っていたので、点を決めることが出来て嬉しかったです」。ヒーローは右手の人差し指を突き出しながらベンチの仲間への下へ。そして、一緒に喜びを爆発させた。
「今まで支えてきてくれた人が多かったので、喜びをみんなで分かち合おうと思って」と山下。日比威監督が「今、サイドアタッカーは帝京の中で豊富」と説明する状況でサブに回っているが、背番号11は先発組と遜色ない実力者だ。
横浜F・マリノスプライマリー出身で中学時代はサガン鳥栖U-15でプレー。昇格が見送られ、東京の名門を進路に選んだ。1年時は関東Rookie Leagueでアシスト王を獲得。「ドリブルや味方を使うプレーがとても上手いから」という理由でMF三笘薫を目標の選手に挙げていた山下は、スピードに乗ったドリブルや多彩なパスを武器に、昨年も切り札役などを務めてきた。
昨年のインターハイ1回戦は後半10分に交代出場しながらもイエローカードを受けて34分に退き、チームも敗れるという悔しさを味わっている。今年のインターハイは王者・青森山田高戦で流れを変える動きをしたが、結果を出すことができていなかった。
それでも、この日は「(前回大会は)結構悔しい思いがあった」という思い、活躍する仲間たちに「負けたくない」という気持ちもぶつけて決勝点。ヒーローになった山下は、決勝でも活躍を誓う。
「明日も多分途中交代なので、前半(この日も先発したMF橋本)マリーク(識史)に惜しみなく行ってもらって(笑)、あわよくば自分が決めたい」。どのような役割でも、まずはチームの勝利のためにプレー。この日、名門を勝たせたMFは決勝でもしたたかに主役の座を狙う。
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022
[7.29 インターハイ準決勝 帝京高 1-0 昌平高 鳴門大塚]
初の決勝進出を狙う昌平高(埼玉)は、U-19代表候補MF荒井悠汰(3年、FC東京内定)とU-17高校選抜MF篠田翼(3年)をベンチスタート。後半、試合終盤にギアを上げる戦略で戦いを挑んできていた。それに対して帝京高(東京1)は、前半終了間際からピッチに立っていたMF山下凜(3年=サガン鳥栖U-15出身)が決勝ゴール。相手に負けない強力な交代カードが、名門を19年ぶりの決勝へ導いた。
山下は後半16分、右サイドで崩しに絡むと、MF松本琉雅(3年)のポストを叩いたシュートの跳ね返りに反応。「自分、(松本のシュートが)入ったと思ったんですけれども、こぼれても反応できるように準備していた」MFは、右サイドの角度のない位置から右足シュートをニア上のネットに突き刺した。
直前にクロスを跳ね返されていたこともあり、このシーンではクロスではなくシュートを選択。「今大会、前線で自分以外大体決めていたので、結構焦りがあったんですけれども、『ここで一発やってやろう』と思っていたので、点を決めることが出来て嬉しかったです」。ヒーローは右手の人差し指を突き出しながらベンチの仲間への下へ。そして、一緒に喜びを爆発させた。
「今まで支えてきてくれた人が多かったので、喜びをみんなで分かち合おうと思って」と山下。日比威監督が「今、サイドアタッカーは帝京の中で豊富」と説明する状況でサブに回っているが、背番号11は先発組と遜色ない実力者だ。
横浜F・マリノスプライマリー出身で中学時代はサガン鳥栖U-15でプレー。昇格が見送られ、東京の名門を進路に選んだ。1年時は関東Rookie Leagueでアシスト王を獲得。「ドリブルや味方を使うプレーがとても上手いから」という理由でMF三笘薫を目標の選手に挙げていた山下は、スピードに乗ったドリブルや多彩なパスを武器に、昨年も切り札役などを務めてきた。
昨年のインターハイ1回戦は後半10分に交代出場しながらもイエローカードを受けて34分に退き、チームも敗れるという悔しさを味わっている。今年のインターハイは王者・青森山田高戦で流れを変える動きをしたが、結果を出すことができていなかった。
それでも、この日は「(前回大会は)結構悔しい思いがあった」という思い、活躍する仲間たちに「負けたくない」という気持ちもぶつけて決勝点。ヒーローになった山下は、決勝でも活躍を誓う。
「明日も多分途中交代なので、前半(この日も先発したMF橋本)マリーク(識史)に惜しみなく行ってもらって(笑)、あわよくば自分が決めたい」。どのような役割でも、まずはチームの勝利のためにプレー。この日、名門を勝たせたMFは決勝でもしたたかに主役の座を狙う。
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022