[7.29 インターハイ準決勝 帝京高 1-0 昌平高 鳴門大塚]

　前日、大津高(熊本)との大一番を粘り強く1-0で制した昌平高(埼玉)は、コンディション面も考慮して準決勝で先発メンバー5人を入れ替えた。藤島崇之監督は「(フレッシュな彼らが)凄く良いパフォーマンスを出してくれているところもあった」と分析。前半を無失点で進め、ショートカウンターやクロスから決定機も作り出した。

　前半アディショナルタイムに今大会得点ランキング首位タイ(4得点)のMF篠田翼(3年)、後半開始から技巧派MF長準喜(2年)、そして後半9分にはFC東京内定のエースMF荒井悠汰(3年)をピッチへ送り出す。

　勝負の後半にギアを上げようとしたが、逆に失点してしまう。それでも、終盤は昌平のペース。注目の荒井はバイタルエリアで3度4度と前を向くと、迫力あるドリブルからスルーパスを狙い、PA付近で得意の左足を強引に振ろうとするシーンもあった。だが、激しく、また粘り強い帝京の守りに苦戦。荒井は「そういう場面でもっと冷静になって判断することが大事だと思います」と反省した。

　0-1で敗れて準決勝敗退。荒井は「昨日、(主将の津久井)佳祐が怪我してしまって、佳祐の分もしっかり優勝して終わりたかった。チームを勝たせたかったし、そういうプレーをしたかった。チャンスもあったんですけれども、まだまだ自分の課題だと思いますし、結果にこだわっていかないといけないと思います」と唇を噛んだ。

　切り替えてプリンスリーグ関東1部からプレミアリーグへ昇格すること。そして、選手権で日本一に再挑戦する。「(FC東京の先輩MF松木)玖生君も日本一を獲ってプロに行っているので、それは見習わないといけないですし、自分がチームを勝たせないといけないので、自分が得点王と日本一を獲ってプロの世界にいきたいと考えています」。悔しい敗退を糧にまた成長し、チームを勝たせる選手になること。青森山田で3冠の松木に次ぐ“高校サッカーのキング”候補は冬に目標を達成する。

(取材・文　吉田太郎)

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