beacon

九州新人王者・鹿児島城西が4-0で鹿児島準決勝突破!「誰が出ても同じサッカーをする」を決勝でも表現し、16年以来のインハイ切符掴む

このエントリーをはてなブックマークに追加

前半17分、鹿児島城西高FW上間大嘉が左足で先制点

[5.26 インターハイ鹿児島県予選準決勝 鹿児島城西高 4-0 鹿児島情報高 OSAKO YUYA stadium]

 令和5年度全国高校総体(インターハイ)「翔び立て若き翼 北海道総体 2023」男子サッカー競技鹿児島県予選準決勝が、26日にOSAKO YUYA stadium(南さつま市)で行われた。第1試合は九州新人大会優勝の鹿児島城西高が4-0で鹿児島情報高に快勝。鹿児島城西は27日の決勝で神村学園高と戦う。

 鹿児島城西は怪我明けのFW矢吹凪琉(3年)とFW岡留零樹(3年)がいずれもベンチスタートで強力CB福岡想太朗主将(3年)は長期離脱中。だが、この日抜群の存在感を放っていた藤枝内定MF芹生海翔(3年)が、「チームの裏目標なのが、全員、誰が出ても同じサッカーをする。それができていると思います」と評したように、チャンスを得ている選手たちが躍動し、交代出場組も活躍した。

 試合は前半、縦に速い攻防戦となった。鹿児島城西は前半17分、左クロスのこぼれ球を拾ったMF上船晴人(2年)が右足シュート。こぼれ球を拾ったFW上間大嘉(3年)が切り返しから左足シュートを決めて先制した。

 対する鹿児島情報は3バックの中央に入ったDF黒木青葉(3年)が背後のスペースをカバー。また、攻撃面ではMF川畑凜斗(2年)らが1タッチのパスでスピーディーにボールを動かしていたが、失点後はよりGKからボールを繋ぐことにチャレンジしていた。そして、DF高橋愛斗(2年)のロングパスやクロスにFW庄司尚生(2年)が反応する。

 鹿児島城西はやや相手を引き込みつつ、ボールを奪うとパワーを持って前へ。中でも、怪我が癒えてキレのある動きを見せるMF山下慶人(3年)が攻めどころになっていた。九州新人大会のプレー時間は1試合5分ほど。だが、好調なMFは鋭いドリブルで相手の前に潜り込むなど機動力を発揮していた。

 また、芹生がプレッシャーの中でも余裕のあるボールコントロール。インターセプトからのドリブルやパスで違いを生み出していた。鹿児島城西は後半序盤、上間と芹生のスルーパスから山下が立て続けに決定機を迎える。鹿児島情報はGK新城成海(3年)が連続でビッグセーブ。だが、鹿児島城西は17分、10番MF石内凌雅(3年)が右サイドでの距離の長いドリブルでFKを獲得する。そして、FKのサインプレーから芹生が右足シュート。こぼれ球を石内が押し込み、2-0とした。

 さらに19分、左サイドの芹生が体を投げ出してスペースへのパスを繋ぐ。これで抜け出した左SB木原綾汰(3年)がラストパスを入れると、ニアで上間が合わせ、台頭中のFWはこの日2得点目をマークした。この後メンバーを入れ替えた鹿児島城西は31分、交代出場のU-16日本代表FW大石脩斗(1年)が中央でDFと入れ替わってスルーパス。矢吹が中央へ折り返し、最後は岡留がゴールへ突き刺した。
 
 交代出場の3選手による得点で4-0。新田祐輔監督は「収穫はゼロで抑えたことと、代わった選手が良かった」と口にする。今年は県新人戦決勝で2-0、九州新人大会決勝では3-0のスコアで宿敵・神村学園に快勝。4年ぶりの九州制覇を果たしたチームは、新参入したプリンスリーグ九州1部で5勝1敗の2位につけており、勝つこと、成長することを両立させてインターハイ予選を迎えることができている。

 指揮官は決勝へ向けて、「今回プリンスで鍛えられたから(相手の)攻撃のところとか少しは粘れると思うけれど、あとは攻撃のところでらしさが出せるかですね」。厳しい戦いの中で選手層の厚みが増したチームは、「日本一、取ろうと言っています」(芹生)。再び宿敵を突破し、16年以来となるインターハイ切符を勝ち取る。



(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

TOP