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[MOM4297]鹿児島城西MF芹生海翔(3年)_ 進化加速中の藤枝内定ボランチ。優勝へ導き、全国で「刺激をもらいたい」

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藤枝内定の鹿児島城西高MF芹生海翔(3年=イルソーレ小野FC U-15出身)は違いを見せる動きでゴールも演出

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.26 インターハイ鹿児島県予選準決勝 鹿児島城西高 4-0 鹿児島情報高 OSAKO YUYA stadium]

 藤枝内定のボランチは、チームのため、自身の成長のために全国出場を強く求めている。鹿児島城西高MF芹生海翔(3年=イルソーレ小野FC U-15出身)は、インターハイ鹿児島県予選準決勝で一際目立つ動き。コンビを組むMF坂上日向(3年)のサポートを受けながら、積極的に前へ出てチャンス、ゴールを演出した。

 常に姿勢良く視野を確保。そして、両足を器用に扱うMFは前半、局面を打開するドリブルと的確な配球でチャンスの起点になった。後半もインターセプトからのドリブル、スルーパスなどで相手ゴールを脅かすと、17分にはFKから右足シュート。これが2点目のゴールに結びついた。

 さらに19分には、左サイドで体を投げ出してスルーパス。抜け出した左SB木原綾汰(3年)のラストパスをFW上間大嘉(3年)が合わせて3-0となった。「自分の良さはスルーパスなので、しっかり出して得点に繋げたので良かった」と芹生。本人は得点が取れていないことについて満足していない。だが、余裕を感じさせるような動きで違いを見せつけた。

 今春の練習参加を経て、5月18日に来季からの藤枝MYFC加入が内定。相手を剥がし、パスも出せる強みや180cm近い長身などを評価された。「自分自身、あまり知名度とかなくて、その中で自分のプレー見て評価してくださるのは嬉しい」。J1クラブなどの評価が高まる可能性もあったが、本人は名前でなく、自分の実力をしっかりと評価してくれたことに感謝して進路を即決。また、「(現在、鹿児島で絶対的な存在の)神村を倒す」ために鹿児島城西へ進学した芹生は、挑戦心を持って強豪クラブに立ち向かう藤枝の姿勢にも惹かれたようだ。

 その芹生は藤枝サポーターへ向けて、「自分の特長が前へのドリブル、ゴールに向かってシュートとかで、攻撃のテンポが他の選手と違うので、自分の色を見てもらえたらいい」と語り、「(来年、)僕が出てJ1に上げたい」と意気込む。その前に高校サッカーで活躍し、少しでも名を上げてプロ入りする考えだ。

 新田祐輔監督は内定発表から芹生の進化が加速していることを明かす。「(現在は)自信満々。発表の時期が良かったかもしれないです。決まったタイミングから本当にやらなきゃとなったし、(内定選手として見られるから)適当なことができないよと。自分にプレッシャーを掛けている感じがある」。これまではあまりプロの試合を見なかったというが、本人は映像でMFブスケツやMFイニエスタといった名手の位置取り、ボールの持ち方などをチェック。これまではセンスでやってきたところが大きかったというが、肉体強化も意識している。

 成長のタイミングを迎えているMFは、全国でより刺激を得てさらなる進化を果たすか。「1年間通して、まだ凄い張り合えるなという選手がボランチにあまりいないので、全国行って刺激をもらいたい。(過去2年に比べて、全国に)今年は行けるというのが完璧に見えているので県でも圧倒して、日本一取ります」と言い切った。

 今年、QUON FDからU-17日本代表、町田内定を果たしているMF高崎天史郎はセンアーノ神戸ジュニア時代のチームメートだ。「どんどん先に行かれているので正直焦っています」。同じ06年早生まれの自分も、U-17日本代表でやれる自信は「正直、行けます」ときっぱり。守備の読みの高さも含めて、実力は代表クラスの選手たちと遜色ない。より多くの関係者に見てもらうためにも、宿敵・神村学園高に再び勝って、インターハイに出場する。 

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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