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[MOM4303]神村学園DF長沼政宗(3年)_起用に応えて能力の高さ発揮。先発定着へアピールの無失点

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神村学園高DF長沼政宗(3年=太陽SC国分U-15出身)は完封勝利に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.27 インターハイ鹿児島県予選決勝 鹿児島城西高 0-2 神村学園高 OSAKO YUYA stadium]

 タレント軍団で先発定着を狙うDFが、起用に応えた。神村学園高DF長沼政宗(3年=太陽SC国分U-15出身)は、3バックの右サイドで先発フル出場。SBを主戦場とする長沼だが、スピード、跳躍力、運動量という能力の高さを内側のポジションで発揮し、無失点勝利に貢献した。

 この日の対戦相手は、今年2戦2敗の鹿児島城西高。「DFラインの中でチャレンジ&カバーのところを意識して、FWの選手が収めてきたり、ヘディングですらして来ることが多かったので、そういうことを臨機応変に対応することを意識しました」。長沼は登録176cmと特別な高さがある訳では無い。だが、ロングボールやセットプレーでゴールを目指してくる鹿児島城西相手に競り合いの強さを発揮。また、スピードを活かしたカバーリングでこぼれ球を相手に渡さなかった。

 後半は相手が前線3枚を代えてきたことで、その攻撃の迫力がアップ。「きつい時間帯でした」と振り返る。長沼自身も寄せの甘いところなどがあったことは確かだが、DFリーダーのDF難波大和(3年)、DF新垣陽盛(2年)、GK川路陽(3年)らとともに堅守を発揮していた。スーパーゴールを決めたMF名和田我空(2年)や献身的な攻守を貫いたFW西丸道人主将(3年)ら攻撃陣にもヒーローはいたが、DF陣が相手の圧力に飲み込まれなかったことも大きな勝因。長沼自身も先制された準決勝と異なり、守備からリズムが生み出せたことを喜んでいた。

 また、長沼はこの日、ロングフィードで先制点の起点となり、得意のドリブルで攻め上がるシーンも。「守備のところは全然できていたと思っていて、あとはビルドアップのところとかできていなかったりしたところがあったので、そこは改善していきたいなと思っています」と自己評価していた。

 長沼は昨年度のインターハイで途中出場したが、選手権は登録30名から漏れて12月にはこの日中盤で奮闘したMF平木駿(現3年)らとともに、「鹿児島ユース(U-17)サッカーフェスティバル」に出場していた。当時はCBを務めていたが、攻守に置いて能力の高さを発揮。個の力で相手の攻撃を止め、ドリブルで攻め上がるなど印象的な動きを見せていた。

 新シーズンを迎えてSBや中盤で出場機会が増加。そして、昨年からの主軸DF有馬康汰(3年)の怪我などもあり、現在は主に3バックの右でプレーを続けている。プレミアリーグWESTは開幕から5試合連続で先発。インターハイ予選直前の2試合はベンチスタートだったものの、インターハイ予選で再び先発のチャンスを掴んだ。そして、有村圭一郎監督が、「だいぶ良かった。助かっている。真ん中に置いて良かった」と賞賛する活躍で優勝に貢献した。

 先発定着へ好アピールの大会となったが、本人は「実感はないです。まだ(先発確保)そんな感じではないです」と厳しい。そして、「チャンスをモノにしてスタメンに食い込んでいければなと思っています」と意気込んだ。
 
 その長沼がライバル視しているのが左利きの右WB高橋修斗(3年)だ。「自分としては高橋修斗。身体能力とか運動量の面では自分の方が上だと思っているんですけれども、技術的な面では修斗の方が優れていて、自分的にももっと試合中走りたいというのがあってそういう理由でWBしたいというのがある」。運動量にも自信を持つ長沼は、3バック、ワイドのポジション両方で出場チャンスを求め、インターハイも先発として勝利に貢献する考えだ。

「個人としても良いアピールしてチームとして貢献したいですし、チームとしても去年1回戦で負けて悔しい思いをしているので、去年の先輩を越えて優勝までいけるように頑張っていきたい。今後はどこのポジションに置かれても自分の得意分野とかを発揮してチームに貢献できるようにしたい」。ポジション争いを勝ち抜き、欠かせない存在となってインターハイを迎える。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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