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[MOM4304]米子北FW鈴木颯人(2年)_相手の状況を見極める冷静さ。2年生FWが決勝点

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前半30分、米子北高FW鈴木颯人が左足で先制点

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.30 インターハイ鳥取県予選準々決勝 米子北高 1-0 米子東高 鳥取県フットボールセンター大山]

 開始直後から再三ゴールに迫りながらも、米子東高の粘り強い守備を崩せずにいた米子北高だが、まもなく前半も終わろうかという30分(35分ハーフ)に均衡を破った。FW鈴木颯人(2年)がエリア内中央でパスを受けると、右足で鋭く切り返し、寄せてきた相手選手2人をかわしてフリーに。すぐさま左足でゴール右に蹴り込み、ついにリードを奪った。
 
「ボールが来たとき、相手が寄せてきているのが分かった」と振り返る切り返しの後も、落ち着いていた。米子東はDF絵原奏汰(3年)が懸命に戻り、鈴木から見てゴール左のコースにタックルに入ろうとしていた。中央にはGK信木仁(2年)もいたが、「間接視野で見て逆に打った」というゴール右へのシュート。ゴール前の決定機で、相手の状況を見極める冷静さが光った。

 前線でターゲットになり、ポストワークでチャンスを作ろうとしながらも、なかなか実らずにいた。「少し焦りがあった」ものの、結果的に決勝点となる貴重な先制ゴール。「インターハイ予選は負けたら終わり。3年生のためにも、自分がやらなければいけないという気持ちがあったので、取れてよかったです」と安堵の表情を浮かべた。

 群馬の前橋FCから米子北に進み、「常にゴールに向かうところと、前線で体を張って攻撃の基準点となるところが伸びていると思う」と語る手応えをつかんでいる。それでも中村真吾監督は、この日の出来を「もう少し向かっていく気持ちを持って、しっかり戦ってほしい」と指摘し、自身も「相手が守っていましたが、それでも崩さなければいけない」と反省点を挙げた。

 6月3日の準決勝と4日の決勝に、15大会連続18回目の出場が懸かる。2年生ストライカーは「一番大事なのはチームが勝つことですが、自分がゴールを決めて勝ちたい」ときっぱり。初めて出場しているインターハイ予選で、残り2試合も自らのゴールで貢献するつもりだ。

(取材・文 石倉利英) 
●【特設】高校総体2023

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