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[MOM4315]青森山田DF山本虎(3年)_チームがキツい時に決めた先制点。主将が23大会連続出場へ導く

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後半11分、青森山田高CB山本虎主将(3年=青森山田中出身)が先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.5 インターハイ青森県予選決勝 青森山田高 2-0 八戸学院光星高 プラスタ]

 23大会連続のインターハイ出場がかかった青森県予選。準決勝までの3試合で38得点をマークしていた青森山田高だが、決勝はサイド攻撃を八戸学院光星高に警戒され、なかなかチャンスやセットプレーの数を増やすことができなかった。

 前半半ば以降は決定機を作り出していたものの、相手GK柏崎幸二(3年)のファインセーブに阻まれるなど無得点のまま前半終了。後半も0-0のまま10分が経過した。だが、プレミアリーグEASTの最近4試合で3ゴールと好調なCB山本虎主将(3年=青森山田中出身)が、ゴールをこじ開けてみせる。

 後半11分、右ロングスローのこぼれ球に狙いを定め、ペナルティアークからPAへやや入った位置でセカンドボールに反応。そして、右足シュートを正確にゴール左隅へ蹴り込んだ。

「前半、セットプレーのセカンドがずっとこぼれていたので、そこを狙おうと思っていて、やっぱりこぼれてきたので、ああいう密集はコースを狙えば入るので入って良かった」。まるでストライカーのような落ち着いたフィニッシュ。歓喜をもたらした主将は飛び蹴りのゴールパフォーマンスで喜んだ。

 主将はこの日のチームについて、「いつもの自分たちのプレーができなかった」「いつもよりもやるべきことをやっていなかった」「平常心がなかった」と指摘。連覇、“勝って当然”の重圧がかかるチームにいつも通りのプレーをさせられなかったことを悔しがる。

 また、左右両足からの高精度フィードを武器とするCBはこの日、風、芝への適応に時間を要してしまい、サイドチェンジのパスで珍しいミスもあった。加えてピンチもあり、自分のプレーにも満足はしていない。それでも、無失点優勝を果たし、チームがキツい時に決めたゴール。得点については評価し、「ホッとしました」と微笑んだ。

 山本は青森山田中時代から非常に高い評価を得ていた注目CB。左右両足のキックは異質の精度で、青森山田で磨かれてきた跳ね返す力など高校トップクラスの実力者だ。だが、高校では怪我が続いたこともあり、まだ思い描いていたような活躍ができていない。

 昨年のインターハイは先発出場したものの、帝京高(東京)に逆転負けして初戦敗退。選手権はCB多久島良紀(現明治大)、CB三橋春希(現常葉大)の日本高校選抜コンビの壁を超えることができず、サブに甘んじた。

 早生まれ選手として出場した国体少年男子の部ではリーダーシップと攻守両面で抜群の動きを見せ、青森県選抜を初の全国準優勝へ導いているものの、青森山田高の一員として全国舞台で活躍することができていない。それだけに、インターハイへの思いは強い。「スカウトの人が見に来るので自分の持ち味を出したい」。プロ入りへの重要なアピールの機会。夏の主役候補が活躍し、青森山田に全国タイトルをもたらす。 

 


(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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