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「どこでも結果残せるのが自分の良さ」。大津の万能MF碇明日麻は今年、前で得点量産中

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後半30分、大津高の10番MF碇明日麻主将(3年=FCK MARRY GOLD AMAKUSA U15出身)がPKを決めて微笑

[6.7 インターハイ熊本県予選決勝 大津高 5-0 ルーテル学院高 えがおS]

「優勝できましたけれど、(今大会の得点数は)個人としてPK2本なので、悔しさがあります」。大津高の10番MF碇明日麻主将(3年=FCK MARRY GOLD AMAKUSA U15出身)は、自身のプレーに全く満足していなかった。

 今季のプレミアリーグWESTは、横浜FCユース戦でハットトリックを記録するなど得点ランキング2位の9得点(7試合)。現在、主にトップ下のポジションを務めるMFは、世代トップレベルのストライカーたちと得点王争いを繰り広げている。

 今回のインターハイ予選は右足首を痛めていたこともあり、得点感覚や体力面が不足していることを実感。この日はルーテル学院高対策として4-4-2システムのFWとして先発し、前半14分の先制点は碇が強引に左足シュートを打ち切ったことで生まれたものだった。だが、本人は左クロスからのヘッドなど幾度もあったチャンスで決めきれず、PKの1得点に終わったことを悔しがっていた。

 技術力や展開力、高さを発揮できるボランチを最も得意とし、昨年はCBとしてチームの全国3位に貢献。日本高校選抜候補にも選出された。最終ラインでフィード力や跳ね返す力など能力の高さを発揮したが、今年は新ポジションでその可能性を広げている。

 前線のポジションでの特長は、「(前線で)競り合いに合わせる高さは、誰にもない脅威じゃないかなと思っています」と自己分析。クロスの入り方も上手く、相手の上から打ち込むヘッドも活かして得点を量産している。

 また、この日も見せていたように、正確な1タッチパスで決定機を演出。ゴール前での抜群の高さは碇のゴールシーン以外でも貴重なものになっている。「どこでも結果残せるのが自分の良さなので、どんなポジションでスタメンで呼ばれても、そこのポジションでしっかり活躍する」。異質の才能は、成長と結果に貪欲だ。

「(今後は)しっかり毎試合1点という結果を残して、チームとしても勝利という結果を残しながら、九州大会も連覇して、そこから全国大会に臨みたい。プレミアリーグを通してチームとしても、個人としても成長してきていると思っているので、成長スピードを止めずにしっかりインターハイまでにもっともっと成長していきたい」

 まずは「もう一回、あの時の自分に戻したいです」とコンディション向上に集中。全国大会で得点王を獲得する可能性も秘めた万能型が、毎試合得点を重ね、九州、全国のタイトルを獲得する。

(取材・文 吉田太郎)
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