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瀬戸内が王座奪還!! 60m超絶弾で広島皆実に追い付かれるも、延長戦2発で退けて2大会ぶりの全国へ

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瀬戸内高が延長戦を制して全国行きを決めた

[6.9 インターハイ広島県予選決勝 瀬戸内高 3-1(延長) 広島皆実高 サンフレッチェビレッジ広島第一球技場]

 令和6年度全国高校総体(インターハイ)広島県予選決勝が9日に広島市のサンフレッチェビレッジ広島第一球技場で行われ、瀬戸内高広島皆実高が対戦。瀬戸内が延長戦の末に3-1で勝ち、2大会ぶり9回目の出場を決めた。

 前日からの雨が小降りながらも続く中で始まった一戦は、立ち上がりから激しい競り合いが続いた。瀬戸内は前半9分(40分ハーフ)にMF武田直大(3年)が右足で狙ったが、広島皆実GK三好達哉(3年)がセーブ。広島皆実も9分にMF野村陸路(2年)が右足でミドルシュートを放ったが、ゴール上に外れた。

 直後の10分、先にスコアを動かしたのは瀬戸内だった。この日2トップの一角で出場したDF村上陽哉(3年)がロングスローを投げ入れるが、広島皆実がクリア。こぼれ球を拾った瀬戸内DF大塚八寛(2年)がゴール前に浮き球を送ると、ロングスローを投げた後に猛然とエリア内まで走り込んできた村上が、キャッチしようとするGK三好よりも先に頭で合わせ、ネットを揺らした。

 だが、先制された後にパスワークのリズムが良くなり始めた広島皆実は、23分に驚異のスーパーゴールが飛び出す。攻め込まれた場面でMF迫田提亮(3年)が相手のパスをインターセプトし、これを拾った野村がドリブルで運ぶと、エリア外を飛び出して自陣中央付近にいた瀬戸内GK田平悠斗(2年)のポジションを見逃さず、ハーフウェーラインの手前から右足を一閃。ライナー性のボールが田平の頭上を越えてネットを揺らし、公式記録で60メートルという超ロングシュートで同点とした。

 追い付いて攻撃の勢いが増した広島皆実に対し、追加点は与えずハーフタイムを迎えた瀬戸内は後半に反撃。ボールを奪われた後の切り替えが早くなり、素早く奪い返して連続攻撃を仕掛ける場面が増えたものの、広島皆実も粘り強く対応して防ぐ。ならばと瀬戸内はセットプレーでチャンスを作り、20分には右CKをFW上岡士恩(3年)がフリーとなってヘッドで合わせたが、わずかに上に外れた。

 後半終了間際は広島皆実にもカウンターのチャンスがあったものの、決定機には至らず。1-1で前後半を終了し、勝負の行方は10分ハーフの延長戦に持ち込まれた。

 延長前半は一進一退の攻防が続いたが、一歩前に出たのは瀬戸内だった。5分、エリア内でMF山本寛太(3年)がこぼれ球を拾って左につなぐと、武田がダイレクトで右足シュート。これがGK三好の足元を破ってニアサイドに決まり、2-1と再びリードした。

 出足が鋭くなった瀬戸内はセカンドボールの早期回収を徹底して攻め込むと、延長後半に追加点を奪う。4分、相手のパスをカットした大塚が右サイドをドリブルで突破、ファーサイドにふわりと浮かせるセンタリングを送ると、完全にフリーとなっていた武田がヘッド。2点差として勝利に大きく近づき、そのまま試合終了を迎えた。

 広島皆実は先制されるも見事な一撃で追い付き、優勢に進める時間帯もあったが及ばず。小熊和人監督は「もっとバイタルエリアにボールを差し込み、みんながかかわって攻撃できればと思っていましたが、それが出せず、まだまだ力不足だった」と語った。

 プリンスリーグ中国から降格して県リーグで戦った昨年度はインターハイ予選、高校選手権予選とも決勝に進めず、特に高校選手権予選は2013年度から10年連続で勝ち上がっていた決勝進出を逃した。1年でプリンスリーグ中国に復帰した今年度、全国大会に手が届きそうで届かなかった悔しさを晴らすべく、小熊監督は「プリンスリーグ中国で勝つためのサッカーを追求しながら、皆実の良さを出していきたい」と高校選手権予選を見据えた。

 瀬戸内は後半アディショナルタイムの決勝点で如水館に競り勝った前日の準決勝に続き、2日続けて接戦を制して出場権を奪還した。4月のプリンスリーグ中国では2-3で敗れた広島皆実を下し、田中健二郎監督は「選手が本当によく頑張ってくれた」と称えた。

 昨年度は高校選手権も出場を逃しており、2年ぶりの全国の舞台。田中監督は「ケガやアクシデントで今回の予選に出られなかった選手がいるし、交代で入った選手、メンバーに入れなかった選手もいる。底上げは少しずつできていると思うので、違うメンバーで戦えればチームのプラスになると思う」と本番までのレベルアップを誓った。

(取材・文 石倉利英) 

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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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