「まだまだ足りてない」。日大藤沢の日本高校選抜MF布施克真は神奈川県予選敗退の悔しさを忘れず、自分を成長させる
[6.15 インターハイ神奈川県予選準決勝 日大藤沢高 0-3 桐光学園高 等々力]
「今まで色んなところで、色んな経験させてもらった身としては、もっともっと『俺がいるから勝てる』っていう風な、それぐらいの違いを見せないと今後の試合、勝っていけないと思うんで。こういう、チームが調子悪い時でも『自分だけは』っていうところを見せるっていうところでは、まだまだ足りてないかなって感じました」
日大藤沢高の日本高校選抜MF布施克真(3年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)は、自分自身の力不足を認めるコメント。前回インターハイ3位のチームは0-3で敗れ、神奈川県予選での敗退が決まった。
布施は、「前半、ビビって後ろ回さずに前ばっか蹴って、ちょっと情けない試合だった。(立ち上がりはシンプルに戦うことを決めていたが、)10分、20分経った時に切り替えることができずに、そのサッカーを前半ずっと続けてしまった。自分たちの(パスを丁寧に繋ぎながら前進する)サッカーができてなかった」と首を振る。
前半19分の失点後、布施は右サイドで強引に前へ。桐光学園高の激しいチェックにも動じることなく、上体を上手く使いながらボールをキープし、前進させてみせた。このプレーは、チームメートでのメッセージでもあったという。
「自分としては後ろから回せるから、もっと慌てずに回して欲しいっていう意味も込めて、あそこで自分でボール持って一人かわしたりっていうようなプレーを増やした」と説明する。昨年のU-17ワールドカップ日本代表メンバーでもある布施の強度やキープ力は、高校年代トップクラス。身を持って日大藤沢がもっとできることを示そうとしていた。
また、布施は声でもチームを落ち着かせようとしていたが、変化させることができなかった。「そういう気持ちをもっと伝えるっていうところが、もっとやんなきゃいけないところ」。シャドーの位置から落ちて、組み立てに力を注いでいたが、それに伴い、攻撃のパワーは低下。布施自身も持ち前の運動量を出しづらい展開となった。桐光学園の戦う姿勢の強さにチームは呑まれてしまい、後半に2失点。0-3と思わぬ完敗を喫した。
もっと一人ひとりが戦わなければ勝てない。取り組んできた技術面もまだまだ足りない。日本一を目指す日大藤沢はこれから、「変わるしかない」ことを思い知らされるような敗戦。布施は「インハイが終わってしまったってところでは、火がつくのが遅すぎたっていうところもあったかもしれないですけど、『これが選手権じゃなくて良かったな』って思っていて。そこはポジティブに捉えないと次に繋げていくことはできないと思うので、『次の選手権まで今日の負けを忘れないように』、って終わった後のミーティングでずっと話していました」と語った。
布施は昨年、日大藤沢でレギュラーを掴み、6月にU-16日本代表入り。8月にU-17日本代表として臨んだ「Balcom BMW CUP 広島国際ユース」で抜群の強度と運動量、万能性を発揮するなどアピールし、11月のU-17ワールドカップメンバーに抜擢された。そして、今年は年下ながら日本高校選抜欧州遠征メンバーに選出。トップレベルでの経験を重ねてきた。
高校ラストイヤーの今年、日大藤沢の主戦場は神奈川県1部リーグ。「自分を成長させる場っていうのは自分で作っていかなきゃいけないんですけど、現時点ではなかなかない。そこはもう自分の意識だけで変えていくしかない」。昨年は上の学年の中で挑戦することで成長できた部分もあったが、今年はチームを背負っていく立場。チームを作っていくことを考えすぎて、関東高校大会(5月)は1試合で敗退となった。
そして、インターハイは神奈川県を勝ち抜くことができずに予選敗退。全国トップクラスを体感できる場。より成長できる場を勝ち取ることができなかった。自分の成長に対する不安があるというが、そこはより意識を変えて取り組んでいくだけ。「ここで結果を残せなかったっていうのは凄く悔しいです。個人としては、もっともっとチームを勝たせられる絶対的な存在になっていかないといけない」。注目MFはこの日の悔しさを忘れず、本気の日々で自分と日大藤沢をレベルアップさせて選手権予選を迎える。
(取材・文 吉田太郎)
●全国高校総体2024特集
「今まで色んなところで、色んな経験させてもらった身としては、もっともっと『俺がいるから勝てる』っていう風な、それぐらいの違いを見せないと今後の試合、勝っていけないと思うんで。こういう、チームが調子悪い時でも『自分だけは』っていうところを見せるっていうところでは、まだまだ足りてないかなって感じました」
日大藤沢高の日本高校選抜MF布施克真(3年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)は、自分自身の力不足を認めるコメント。前回インターハイ3位のチームは0-3で敗れ、神奈川県予選での敗退が決まった。
布施は、「前半、ビビって後ろ回さずに前ばっか蹴って、ちょっと情けない試合だった。(立ち上がりはシンプルに戦うことを決めていたが、)10分、20分経った時に切り替えることができずに、そのサッカーを前半ずっと続けてしまった。自分たちの(パスを丁寧に繋ぎながら前進する)サッカーができてなかった」と首を振る。
前半19分の失点後、布施は右サイドで強引に前へ。桐光学園高の激しいチェックにも動じることなく、上体を上手く使いながらボールをキープし、前進させてみせた。このプレーは、チームメートでのメッセージでもあったという。
「自分としては後ろから回せるから、もっと慌てずに回して欲しいっていう意味も込めて、あそこで自分でボール持って一人かわしたりっていうようなプレーを増やした」と説明する。昨年のU-17ワールドカップ日本代表メンバーでもある布施の強度やキープ力は、高校年代トップクラス。身を持って日大藤沢がもっとできることを示そうとしていた。
また、布施は声でもチームを落ち着かせようとしていたが、変化させることができなかった。「そういう気持ちをもっと伝えるっていうところが、もっとやんなきゃいけないところ」。シャドーの位置から落ちて、組み立てに力を注いでいたが、それに伴い、攻撃のパワーは低下。布施自身も持ち前の運動量を出しづらい展開となった。桐光学園の戦う姿勢の強さにチームは呑まれてしまい、後半に2失点。0-3と思わぬ完敗を喫した。
もっと一人ひとりが戦わなければ勝てない。取り組んできた技術面もまだまだ足りない。日本一を目指す日大藤沢はこれから、「変わるしかない」ことを思い知らされるような敗戦。布施は「インハイが終わってしまったってところでは、火がつくのが遅すぎたっていうところもあったかもしれないですけど、『これが選手権じゃなくて良かったな』って思っていて。そこはポジティブに捉えないと次に繋げていくことはできないと思うので、『次の選手権まで今日の負けを忘れないように』、って終わった後のミーティングでずっと話していました」と語った。
布施は昨年、日大藤沢でレギュラーを掴み、6月にU-16日本代表入り。8月にU-17日本代表として臨んだ「Balcom BMW CUP 広島国際ユース」で抜群の強度と運動量、万能性を発揮するなどアピールし、11月のU-17ワールドカップメンバーに抜擢された。そして、今年は年下ながら日本高校選抜欧州遠征メンバーに選出。トップレベルでの経験を重ねてきた。
高校ラストイヤーの今年、日大藤沢の主戦場は神奈川県1部リーグ。「自分を成長させる場っていうのは自分で作っていかなきゃいけないんですけど、現時点ではなかなかない。そこはもう自分の意識だけで変えていくしかない」。昨年は上の学年の中で挑戦することで成長できた部分もあったが、今年はチームを背負っていく立場。チームを作っていくことを考えすぎて、関東高校大会(5月)は1試合で敗退となった。
そして、インターハイは神奈川県を勝ち抜くことができずに予選敗退。全国トップクラスを体感できる場。より成長できる場を勝ち取ることができなかった。自分の成長に対する不安があるというが、そこはより意識を変えて取り組んでいくだけ。「ここで結果を残せなかったっていうのは凄く悔しいです。個人としては、もっともっとチームを勝たせられる絶対的な存在になっていかないといけない」。注目MFはこの日の悔しさを忘れず、本気の日々で自分と日大藤沢をレベルアップさせて選手権予選を迎える。
(取材・文 吉田太郎)
●全国高校総体2024特集