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[MOM4786]札幌大谷MF笹修大(3年)_「腕一本で抑えられた」。相手選手も差を認める強さ、高さで中盤に君臨

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札幌大谷高MF笹修大主将(3年=札幌大谷中出身)は中盤で違いを生み出し、勝利に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.27 インターハイ1回戦 富山一高 3-3(PK0-3)札幌大谷高 Jヴィレッジスタジアム]

 札幌大谷高(北海道2)は相手の隙を突く形でMF曽我部修羽(3年、FW田村佑太(3年)、FW簗詰夕喜(3年)がゴール。また、PK戦でGK高路地琉葦(3年)が活躍し、伝統校の富山一高(富山)を下した。攻守にヒーローが多かったが、中でも10番MF笹修大主将(3年=札幌大谷中出身)がピッチで一際存在感を放っていた。

 登録182cm、77kgの大型ボランチは明らかに他とは異なる強さ。中盤で対峙した富山一の10番MF高橋大和(3年)が、「個人としては、相手の10番(笹)がキーマンだと思ってたんで、そこは絶対勝てないとな、と思って試合に入ったけれど。前半、後半もそうですけど、腕一本で抑えられたり、フィジカルの部分で違いを出された」と首を振るほどの差を生み出していた。

 本人は「自分としてはもう少しボールに係わりながら、前につけるボールの質だったり、チャンスメークでもうちょっとやりたかったなっていうボールはあった」と首を振る。だが、中盤で相手選手のプレスに全く動じることなくボールキープ。DFを背負っていても、1タッチパスを含めて難なく味方へボールを繋ぎ、中央から縦パスを差し込んで攻撃を加速させた。

 また、中盤、自陣ゴール前で抜群の高さを発揮するなど守備でも効いていた。「ヘディングの部分の武器だったり、今日はちょっと切り替えの部分、攻守の切り替えの部分で、中盤で潰すとこが自分の中では良かった」。加えて、チャンスと見るや、中央からスプリントする回数を増加。「まっちゃん(左SH松本陽翔、3年)からのマイナスのところで作れるので、事前合宿からスプリントを繰り返しています」という通り、ボランチの位置から相手ゴール前に入って攻撃に厚みを加えていたことも印象的だった。

 プロ入りを目指すボランチは昨年、リーグ戦当日ではあったものの、J1札幌のトレーニングに参加。プロを体感し、強化してきたフィジカルも駆使してより「動くボランチ」になっている。高校1年時にU-16北海道選抜の国体4位に貢献している笹だが、今回、札幌大谷進学後初となる全国大会出場。大舞台で活躍し、チームを一つでも上のステージへ引き上げることを目指している。

「全国の部分では自分としても初めての出場なんですけど、やっぱり今日できなかった部分をもうちょっと。攻撃の部分で前向いて、しっかりいいボールを供給してチャンスメークを、明日の市船戦は前半から意識してやっていきたいです」。2回戦でマッチアップが予想される市立船橋高(千葉)の注目MF峯野倖(3年)を上回ることも勝利のポイントになる。

「やっぱり(市立船橋に)注目選手が多い中で、自分がどういうプレーをできるかっていう部分はほんとに挑戦になりますし、相手のボランチの峯野君とかもまだ対戦したことはないですけど、 やっぱ運動量豊富っていう風に聞いてるので、自分はもっと走って、そこの部分でまずは絶対1対1で負けないっていう部分はやっていきたい」。そして、「(市立船橋にはU-17日本高校選抜でチームメートだったFW)久保原(心優)とか(GKギマラエス・)ニコラスとかいるんで、そこの戦いは負けられない」と加えた。初戦に続き、2回戦でも伝統校を突破して自身の評価も高める。


(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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