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冬の逆襲誓う得点王。神村学園FW名和田我空「誰よりも努力して、次は自分が優勝に導けるように頑張りたい」

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神村学園高のエースFW名和田我空(3年=神村学園中出身、右)は選手権優勝制覇を誓った

[8.3 総体決勝 神村学園高 2-3 昌平高 Jヴィレッジスタジアム]

「誰よりも努力して、次は自分が優勝に導けるように頑張りたい」

 昌平高(埼玉)が初優勝を喜ぶ姿を見て、成長すること、選手権で頂点に立つことへの決意を新たにした。神村学園高(鹿児島)のエースFW名和田我空(3年=神村学園中出身)は初優勝を懸けた決勝で無得点。3本のシュートを放ったが、今大会10得点目を決めることはできなかった。

 名和田は前半9分、スルーパスで左中間へ抜け出し、ニアへ右足シュート。さらに前半13分には、左サイドからMF福島和毅(2年)とのワンツーで中央へ侵入し、右足を振り抜く。得意とするファーへ巻く形の一撃だったが、これをDFにブロックされて迷いが生じてしまったという。

前半、ワンツーから右足シュート

 チームは前半16分に福島のゴールで先制。その後、押し返される時間帯もある中、名和田はチャンスを伺い続ける。そして、2-2の後半33分、神村学園は自陣PAからロングカウンター。FW金城蓮央(3年)のパスを左中間で受けた名和田は切り返しでDF2人のマークを外す。だが、ニアを狙った右足シュートはGKに阻まれてしまった。

2-2から勝ち越し点を狙うも……
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「今思えば、ファー巻きでいつも通り得意なシュートを打てば良かった。前半の前半でファーサイド狙った時に相手に当たってしまったっていうのがちょっと頭にあって、そこでちょっと迷いがあったなっていうのはありました」。名和田は「自分の力を信じ切れなかった」と悔しがる。

 直後に失点し、2-3で準優勝。「大会期間中もチャンスを外していたり、そこがこうやって最後出てしまった」。世代を代表するアタッカーは、今回のインターハイで得点ランキング2位に4得点差をつけ、ダントツで得点王。だが、決定機で仕留められなかったシーンも少なくない。得意とする形のシュートも、「さらに磨き上げないと、こういう決勝という舞台では出せないなっていうのは思いました」。反骨精神の強さを自認する名和田は、この日の無得点と敗戦を必ず糧にするはずだ。

「相手が目の前で喜ぶ姿だったり、もう本当に表彰式の時も思いましたけど、2位と1位は天と地の差だなっていうのを感じたので、また冬、この決勝戦という舞台に戻ってきて、次は ほんとにこのあと一歩を掴むぞっていう気持ちで、本当に日常から頑張っていきたいなと思います」

 2000年以降のインターハイで1大会の個人最多得点は、当時国見高(長崎)のFW大久保嘉人が2000年大会で記録した10得点。名和田は初優勝にも、目標の得点数にも届かなかったことで「もう全然満足していないです」。逆襲を誓う得点王。これからの半年間で誰よりも努力を重ねて進化を遂げ、選手権決勝を笑顔で終える。
 
(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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